更新日:2023年06月30日 19:19
エンタメ

広末涼子の不倫騒動にみる「芸能人の不倫はいつから大罪に?」過去を紐解く

熱が冷めない広末涼子の不倫問題

広末涼子の思考地図

『広末涼子の思考地図』(宝島社)

 広末涼子(42)とレストランのオーナーシェフ・鳥羽周作氏(45)とのダブル不倫問題が世の関心を集め続けている。  注目されやすい材料が揃いすぎた。6月7日に不倫の第一報が『文春オンライン』で報じられた時点でインパクトがあった。最近の広末はエッセイなどで「家族第一」を強調し、昨年のベストマザー賞も受けており、落差が大きかったからだ。  2人の交換日記の存在も同14日の文春オンラインで報じられた。さらに広末は『週刊文春』6月29日号の取材に対し、事務所への不信感を語った。いずれも耳目に値する話だった。  だが、なにより関心の的となったのは夫であるキャンドル・ジュン氏(49)が同18日に行った記者会見だろう。その内容については賛否が分かれた。

広末の商品価値を下げたキャンドル氏の会見

 キャンドル氏の会見内容を批判する人の声はよく分かる。「女優としての広末」の商品価値を下げてしまったからだ。広末の過去の不倫を自分が内々に処理したと明かした件などである。広末が心に不安定性を抱えていると語ったこともプラスには成り得ない。 「過度なプレッシャーがかかったり、不条理なことに出くわしたりすると、派手な格好をしたり、眠れなくなったり、(夜中に)誰かに連絡したりと豹変してしまうのです」(キャンドル氏)  半面、キャンドル氏は「人間としての広末」と向き合い続け、唯一の存在である夫として会見した。それは踏まえなくてはならないだろう。キャンドル氏が広末のことを語るのは初めてだった。所属芸能プロダクションから口にすることを止められていたからだ。庶民感覚では理解し難いが、芸能界ではよくある。 「(所属芸能プロの社長は)家族のことを語るのは禁止です、そういうルールを約束してください、と言いました」(キャンドル氏)  キャンドル氏が広末を初めて論じたのは、やむにやまれぬ思いからだったのだろう。 「(これまでは)どんなことがあっても自分の友人にも家族にも誰にも言わず、自分の中に留めてきました」(キャンドル氏)。  そう考えると、この会見を全面否定する気にはなれない。そもそもキャンドル氏は一般人だ。芸能人と違い、所属芸能プロが会見前に想定問答集を用意してくれるわけでもない。少なくともキャンドル氏の次の言葉にはウソがなかったのではないか。 「(自分と鳥羽氏の)子供たちは、自分と自分の妻のせいで、妻の不倫相手のせいで、とんでもない被害者になっています。自分がもっと早く彼女を止めていればよかった。もっと早く鳥羽氏の自宅に行っていればよかった。メディアよりも先に止めることができていれば、こんなことにはならなかった。自分にも責任があります」(キャンドル氏)  広末も辛いだろうが、妻を奪われたキャンドル氏も痛んでいる。
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不倫は大罪なのか?時代性を考察
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放送コラムニスト/ジャーナリスト 1964年生まれ。スポーツニッポン新聞の文化部専門委員(放送記者クラブ)、「サンデー毎日」編集次長などを経て2019年に独立。放送批評誌「GALAC」前編集委員

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