創価学会3世が“宗教エリート”の悩みを告白したワケ「献金はクセになる」
「宗教2世」の生きづらさが話題となって1年――。2023年7月に『宗教2世サバイバルガイド』(ダイヤモンド社)を出版した正木伸城さん(@nobushiromasaki)は、安倍元首相事件後、いち早く創価学会3世であることを明かし、WebメディアやSNSを中心に情報を発信している。信者からいまも批判が寄せられるなか、発信を続ける理由、宗教2世をとりまく現状や変化について訊いた。
――正木さんの父親は創価学会の元ナンバー2。母親も熱心な学会員で、自身も創価中学、高校、創価大学を進む、いわば宗教エリートです。宗教名を明かす葛藤はなかったのでしょうか?
正木伸城(以下、正木):声を上げれば、「創価学会も統一教会と同じなの?」と思われてしまわないかとすごく悩みましたし、いまも悩んでいます。しかしどの宗教でも、2世の悩みには多くの共通点があり、黙ったままではいられませんでした。
学会員からの反応は、意外にも応援8割、批判2割。一見すれば批判が多いようにみえるのは、応援はダイレクトメッセージのようにバックヤードで来るのに対し、批判はSNSのリプライのように周りにみえるかたちでおこなわれているからです(苦笑)。
――宗教2世のかたにはどのような共通点があるのでしょうか?
正木:僕の両親もそうでしたが、2世の一部の家庭は、宗教活動のため親が家を留守にしがちです。僕は父親に「世界平和の前に家の平和をなんとかしろ」と言ったこともあります。愛情を注いでくれていても、親は学会の次世代を担う人材として子どもを見ている側面がどうしてもあって、それが「純粋に子どもとして愛してくれていないのでは?」といった疑念につながることもあります。
そもそも宗教2世は、物心つくときから信仰者のコミュニティのなかにどっぷりつかっているので、自分の意思とは関係なく人生が決められていくこともあります。ある友人は親を喜ばせたいという理由で創価大学に進学し、勉強したいことができずに心が折れてしまい、いまも引きこもったまま。
僕自身も夢を諦めて、腹を決めて学会職員になりました。宗教2世は家庭問題の面もありますが、家庭問題と割り切ってしまえば、時に問題を矮小化させてしまいます。宗教2世をめぐる問題は、宗教の問題と家庭の問題の両方の側面から捉えなければ実態はみえてきません。
宗教エリートの悩みを告白した理由
引きこもったままの宗教2世の友人も
編集プロダクション、出版社を経て独立。ビジネス系からカルチャー系まで多岐にわたって執筆する。趣味は映画観賞、自伝研究、筋トレ
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