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「“神物件”だと思ったのに…」暴れる高齢者、多発するボヤ騒ぎに疲弊…元住人が語った団地生活の実情

「認知症老人が公園占拠」「ボヤ騒ぎが多発」――。限界を迎えた高齢化で外国人も逃げていく!建物の老朽化や外国人住民との摩擦が取り沙汰されてきた団地。そんな「限界住宅」がさらなるカオスを迎えている。少子高齢化のあおりを受け、限界を超えた団地の実態とは――?

「家族で住むには危険」元住人が語る団地の暮らし

『ルポ[日本の絶望団地]』本田さん

「ボヤ騒ぎに加え、実は孤独死も多いそうです。引っ越せてよかった……」と、遠い目で語る本田さん

 古くから暮らす住人からすると「住めば都」でも、新規で入居した人にとっては「地獄」になるケースもある。 「家賃も安く、駅から徒歩5分以内と好立地。築年数は古いものの、外側も部屋の中もリフォームされており、2DKで家賃は破格の6万円。近くにスーパーや公園もあって“神物件”だと思い飛びついたのですが、住んでみるととんでもない部屋でした」  そう声を荒らげるのは本田正憲さん(仮名・40歳)。現在は、妻と小学生になったばかりの娘の3人暮らしで、今年の3月まで東京北西部にある団地に住んでいた。 「団地の入居者は高齢者のひとり暮らしが多く、同世代や子どもは非常に少ない。娘を公園に連れていっても、認知症っぽいおばあちゃんがブツブツ言いながらブランコを漕いでいて怖くて近づけません。  公園にはベンチがいくつか設置されていて、毎朝決まった時間に同じ人が座っています。こちらがそのベンチに座っていると、おじいちゃんに『なんで勝手に俺の席に座っているんだ!』と怒鳴られたこともありました」

火事やボヤの多さも団地の特徴

 危険なのは外だけではない。24時すぎに何回も呼び鈴が鳴り、ドアを開けてみるとパジャマ姿のまま徘徊しているおばあちゃんがいた、なんてこともあったそうだ。 「元気なときは同じ階の部屋を次々とピンポンダッシュをしてました(苦笑)。なぜかうちの前で体育座りをしていることもあって本当に怖かったです」  だが、何より本田さんが衝撃を受けたのは、火事やボヤの多さだった。 「週2回の頻度で敷地内に消防車が来るんです。火元となった同じ棟の高齢者が亡くなってしまうことも。うちは共働きなので、子どもをひとりで留守番させるには、このボヤの多さは許容できない。ひとり暮らしなら悪くない場所だけど、家族で住むには危なすぎます」  本田さん一家は、娘の小学校入学のタイミングで郊外のアパートに引っ越したという。
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「外国人はガラが悪い」といった印象は物色されるのか?
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