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森永卓郎氏ほか「プロが本当に買っている金融商品」6選。長期で手堅く増やすには

世界の投資家から熱い視線を注がれ、株高に沸いている日本。だが、背後では金融商品を巡るトラブルが相次いでいる。警戒すべき金融商品と、そのカラクリを熟知して情報強者となるべし! 今回は経済アナリストの森永卓郎氏をはじめとする金融の賢者たちに話を聞いてきた。

今から買うなら、米国債は外せない

森永卓郎氏

「買うと損する金融商品」には総じて、高コストでハイリスクという共通点がある。高コストであるがゆえに、売り手となる銀行・証券会社には販売手数料や信託報酬の一部などのかたちで大きな手数料収入が入る。つまりは、多くのコストとリスクを投資家だけに負わせるから、「買うと損する」かたち。では、金融のプロたちが買う金融商品は、どんなものか? 金融・財政のプロである経済アナリストの森永卓郎氏はこう話す。 「基本的に銀行や証券会社に勧められた金融商品は買いません。信託報酬が高いなど、彼らが儲かるだけの商品である可能性が高いからです。そのため、私は30銘柄ほどの個別株を長く保有し、日経平均株価の上昇に伴ってリターンが増えるポートフォリオを組んで運用してきました」 今から買うなら、米国債は外せないという。 「日経平均は6月をピークに調整中でNYダウもこの1年上がっていません。多くの指標が『今がバブルの山』であることを示している。私は2~3年後にはバブルが弾けると見ているため、4.3%もの金利がつく米国債で暴落相場に備えるべきです」 森永氏は「NYダウが10分の1になる局面も考えられる」と話す。 「その急落局面ではダウやS&P500などの一部の銘柄を組み込んだ指数に連動する投信でなく、米国のすべての銘柄を組み込んだ低コストの投信があるので、2万ドル割れとともに少しずつ買い下がっていく予定です」 実は、森永氏はバブル崩壊に向けてすでにポートフォリオを組み替えている。 「優待・配当狙いの個別株は保有し続けていますが、大半の銘柄は手じまいし、現在は日経ダブルインバース(日経平均が下がるほど値上がりする投信)を保有しています。少し買うのが早すぎて含み損を抱えていますが、リスクヘッジの一つの手段としてインバースを保有するのもあり」 ほかのプロたちが買う商品は下記を参照されたい。

森永氏が「買う」金融商品

①10年保有すれば40%超のリターンに! アメリカ10年国債[利回り4.3%]※8月26日時点 直近の米10年債利回りは金融引き締め警戒感から4%台を維持しており、日米金利差から円安も進行中。10年で40%以上のリターンが期待できるドル建て資産として保有しておくのが吉か ②急落局面で買い下がるのが吉? 全米株式インデックス投信[信託報酬0.1%台] 特定の米国企業でなく米国そのものを買うような投信。CRSP USトータル・マーケット指数と連動する低コストの商品が、複数の会社から販売されているので要チェック ③暴落相場のリスクヘッジとしてアリ 日経平均ダブルインバース上場投信 [信託報酬0.8%台] 購入時期の見極めが難しいが、森永氏が予想するバブル崩壊に備えるなら、日経平均が値下がりすると価格が上がる日経平均インバースもアリ。「ダブル」は変動率が2倍に
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金融の賢者たちも「買う」商品
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