仕事

新人社員の保険勧誘が“クレームの嵐”に。上司が「全て私の責任です」と決意するまで

 時代の流れとともに会社を取り巻く環境も変わります。その流れにうまく乗れなかった場合はおのずと業績も低下せざるを得ません。今回は、業績不振に頭を悩ます営業所長が、追い打ちをかけるように部下の失敗で窮地にたたされたエピソードです。
営業

※画像はイメージです(以下同じ)

 中堅損害保険会社の代理店で所長を務めている望月さん(仮名・37歳)。実は、最近営業所の業績が右肩下がりなのだそうです。

存続危機な代理店の現状

「最近は保険業界もオンライン契約が主流になってきていて、保険代理店というアナログな仕組みが減りつつあるんですよ。どちらかというと、私たちは昔ながらの営業手法が身についていて……。本当にここ最近は契約件数が減る一方で、このまま改善が見られないと、みんなが路頭に迷いかねないんです」  望月さんの営業所は損害保険会社の直営部署にあたり、都内でも古くから実績を上げてきていたといいます。しかし、急速に様変わりする顧客のライフスタイルに少し乗り遅れ感が否めず、全社あげて改革に取り組んでいるのだとか。 「ここだけの話、このまま業績の改善が見込めなかったら、おそらく他の営業所と統廃合されることは不可避なんです。先日、本部の人間から通告されました」

立ち上がった若手男性社員

 そんな中、入社2年目で体育会系の男性社員F君から自動車保険にテコ入れしたいという提案を受けた望月さん。 「最初は驚きました。なぜなら、私たちの自動車保険はほとんどお飾り状態で、他社大手の自動車保険などに比べて正直見劣りするサービス内容でしたから……。まあ、当時の私は藁をも掴みたいほど売り上げが必要でしたから、彼の提案を快く受け入れたんです」  F君は、それまでも積極的な営業を見せていて、とにかく努力を惜しまず自分の足で契約が取れるまで日々走り回っていたことを知っている望月さんは、彼の熱意にかけてみることにしたそうです。
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一気に増え始めた契約とクレーム
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愛犬ベルクちゃんと暮らすアラサー派遣社員兼業ライターです。趣味は絵を描くことと、愛犬と行く温泉旅行。将来の夢はペットホテル経営
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