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英国風パブ「HUB」が“いつも混んでいる”3つの理由。従来の居酒屋にはないウリとは

化学メーカーで研究開発を行う傍ら、経済本や決算書を読み漁ることが趣味のマネーライター・山口伸です。『日刊SPA!』では「かゆい所に手が届く」ような企業分析記事を担当しています。 さて、今回は英国風パブ「HUB」を手がける株式会社ハブの業績について紹介したいと思います。HUBは1980年、英国のパブ文化に魅了されたダイエーの創業者中内㓛氏によって創業しました。しばらくの間は細々と展開していましたが、2000年代・2010年代に店舗数を増やし、首都圏では高い認知度を有しています。スポーツ中継を見ながらサクッと飲めるパブスタイルのお店は他には無く、競合チェーンも現れてはいません。そして今後はさらなる拡大を目指すべく、意外にも「モンスト」で知られる株式会社MIXIとタッグを組むようです。HUBの歴史と人気の理由、今後の方針について見ていきたいと思います。
HUB

Ned Snowman – stock.adobe.com

英国のパブ文化を日本に持ち込む

パブ(Pub)とはイギリスで一般的なスタイルの居酒屋のことです。ビールなどの様々なお酒を提供している一方、食事はチップス類など最低限のつまみしかなく、飲むのがメインのお店です。座席の数も少なく、立ちながら飲む客も多いようです。店員からお酒を受け取ったらその場で支払う「キャッシュ・オン・デリバリー」のシステムを基本としています。 そんな英国のパブ文化に魅了され、日本に持ち込もうとしたのがダイエー創業者の中内㓛氏です。中内氏の指示により1980年に「HUB」一号店が神戸三宮にオープンし、同年中に六本木店も開店しました(2000年にダイエー傘下から離れる)。

1997年から徐々に店舗数を増やす

創業から20年間はヒットすることなく10店舗台で細々と展開していましたが、1997年に現在のHUBのプロトタイプとなる池袋店がオープンしてからは店舗数を徐々に増えていきました。 2006年に当時の大阪証券取引所「ヘラクレス」市場に上場、2017年には東証一部への鞍替えを果たしました。そして2023年8月末時点で同社は「HUB」86店舗、「82」15店舗、「HUB+82の融合店」1店舗の計102店舗を展開しています。 ちなみに「82」はHUBと同じく英国風パブを模した形態ですが、ウイスキーの種類が豊富で価格もHUBより若干高めに設定されています。
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本場の雰囲気を気軽に楽しめる場所として定着
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経済・テクノロジー・不動産分野のライター。企業分析や都市開発の記事を執筆する。取得した資格は簿記、ファイナンシャルプランナー。趣味は経済関係の本や決算書を読むこと。 Twitter:@shin_yamaguchi_

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