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報じられたはずの北朝鮮の外国人入国、未再開の謎。ロ朝接近を中国警戒か

平壌駅前

外国人も訪れることが多い平壌駅前広場(撮影/筆者)

NHKも報じた北朝鮮の外国人入国再開だが……

「北朝鮮が9月25日から外国人の入国を許可。国営中国中央テレビ(CCTV)が伝える」とNHK朝日新聞など大手メディアが一斉に報じた。  しかし、その後、人的往来が再開したとの報道がまったくない。どうなっているのか。  中国遼寧省丹東の北朝鮮旅行を手配する旅行会社によると、「9月25日の再開報道は誤報で、まだ旅行どころか、商用目的での往来も再開されていません」と話す。  別の中国の旅行会社も「現時点でも中国文化・旅游部(観光庁相当)からまったく通達もなく、再開は、早くて年内ギリギリか、春節(旧正月)明けになると考えてます。私たちも期待しないようにしています」と現状を明かす。  報じた日本の各メディアは、ソースとしてCCTVが報じたと伝えているが、北京駐在の日本人メディア関係者の分析によると、伝えたのは、ウェブの非公式情報だったようで、現在は削除されたのか確認できない。  中国外務省報道官も、直後にこの報道を否定している。中国SNS微博(ウェイボー)を検索しても“整理”されたのか、関連投稿は1件も検索できない。

確かに、入国再開の兆しはあったのだが……

 しかし、この情報、一概にフェイクニュースとは断言できない。CCTVも日本の各メディアも9月25日前後に北朝鮮旅行が再開されるとの情報を入手していたと思われるからだ。  実は8月中旬、筆者も北京の北朝鮮大使館が旅行や貿易などの関連企業へ9月24日に外国人観光入国を再開すると直接伝えたとの情報を耳にしていた。文面には、明記されていなかったが、中朝両政府での合意だと読み取れる内容だった。  ところが、その後も、中国文化・旅游部から旅行会社への通達はないまま、9月25日当日に冒頭の情報が一斉に報じられた。  この報道に接し筆者は、入国再開当日の発表だったので、予定が変わり、過去の北朝鮮の前例から、まず先に非観光目的の入出国から再開し、観光再開は、1か月後くらいの10月末から11月上旬頃に再開されると予想した。  7月29日にお伝えした通り、北朝鮮は8月16日に国境を開放。テコンドー選手団が入国。8月末には、国際列車に加えて、空路も限定再開させて、コロナ禍で帰国できなかった外交官や労働者などが帰国した。  10月8日に閉幕した杭州アジア大会へも選手、関係者200人ほどが入国するなど、徐々に人的往来が再開していたので、多少遅れても、北朝鮮への外国人入国再開は、予定通りに進んでいると考えたからだ。  しかし、9月25日以降、パタっと情報が途絶えたので、不思議に思っていたところ、遼寧省瀋陽の中国朝鮮族貿易関係者からこんな話を聞くことができた。
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理由は金正恩の訪露?
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なかのよう●北朝鮮ライター・ジャーナリスト。中朝国境、貿易、北朝鮮旅行、北朝鮮の外国人向けイベントについての情報を発信。東南アジアにおける北朝鮮の動きもウォッチ。北レス訪問が趣味。 Twitter ID @you_nakano2017

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