歩行者との接触事故も。“電動キックボード”の「歩道走行」がやっぱり危険なワケ
電動キックボード。賛否両論ある新モビリティーには様々な誤解がつきまとっている。そのひとつが「電動キックボードは歩道を走行できる」というものだ。
結論から書けば、これは「電動キックボードで走行できる歩道も存在する」という表現がより正しい。この違いを理解していないと、最悪、歩行者との事故に発展してしまうだろう。この記事では、「電動キックボードで歩道に乗り上げる際の注意点」というテーマで筆を進めていきたい。
まず最初に断っておきたいのは、この記事で言うところの「電動キックボード」とは「特定小型原動機付自転車」区分の車両を指している。
この特定小型原付とは道路交通法で規定されていて、
【車体の大きさ】
長さ:190センチメートル以下 幅:60センチメートル以下
【車体の構造】
・原動機として、定格出力が0.60キロワット以下の電動機を用いること。
・20km/hを超える速度を出すことができないこと。
・走行中に最高速度の設定を変更することができないこと。
・AT機構がとられていること。
・道路運送車両の保安基準第66条の17に規定する最高速度表示灯が備えられていること。
(警察庁公式サイト「特定小型原動機付自転車とは」より)
という条件である。ただし、実際に公道を走らせるとしたら上述以上の保安部品が必須となる。前照灯、尾灯、クラクション、ウインカー、そしてナンバープレートも必ず装着していなければならない。その上で、歩道を走行する場合は最高速度表示灯の設置も必要だ。
この最高速度表示灯は、電動キックボードが6km/hを超える速度で走行している場合は点灯、それ以下の速度で走行している場合は点滅する仕組み。そして、歩道での走行は6km/h以下に抑えなければならない。言い換えれば、電動キックボードが歩道に乗り入れる時点で最高速度表示灯が点滅していなければおかしいということだ。
そしてそれ以前に、「電動キックボードで歩道を走行する」ということ自体が「例外的な場合」である。
警察庁公式サイトには、車道通行の原則として、
車道と歩道又は路側帯の区別があるところでは、車道を通行しなければなりません(自転車道も通行することができます)。
道路では、原則として、左側端に寄って通行しなければならず、右側を通行してはいけません。
(警察庁公式サイト「車道通行の原則」より)
と、説明されている。その上で、例外的に歩道等を通行できる場合として、
特例特定小型原動機付自転車に限り、道路標識等により歩道を通行できることとされているとき(※)は、その歩道を通行することができます。
※「普通自転車等及び歩行者等専用」の道路標識が設置されている場所等を指します。
(警察庁公式サイト「例外的に歩道等を通行できる場合」より)
と、述べられている。電動キックボードが通るべき道は、基本的には車道なのだ。
「特定小型原動機付自転車」とは?
電動キックボードの歩道走行は「例外的」
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