ゴミ収集業者で働く24歳女性が、仕事中に「意外と楽しい」と思える3つの理由――大反響トップ10
大事件ばかりがニュースではない。身近で巻起こったニュースを厳選、今回はサラリーマンに関する記事に注目し反響の大きかったトップ10を発表する。第10位の記事はこちら!(集計期間は2023年1月~2023年12月まで。初公開2023年3月26日 記事は取材時の状況)
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早朝や深夜、街を慌ただしく駆け回るゴミ収集車。作業員が車両後部の投入口に次々とゴミ袋を詰め込んでいく。語弊を恐れずにいえば、“男性の仕事”というイメージがあるかもしれない。だが、運転席から降りてきたのは、アイドルグループにいてもおかしくなさそうな小柄で明るい髪色の女性……。
「初めてインタビューを受けるのでめっちゃ緊張しています……」
ひなのさんは、少し照れ臭そうにしながら「伝えたいことをメモにまとめてきた」というスマートフォンをぎゅっと両手で握りしめた。
「いちばんの理由は深夜勤務が可能で、“昼の時間を有効に使える”こと。あとは、正社員として雇ってもらえてお給料が良いのも大きいですね(笑)。ぶっちゃけ、20代女性の平均年収よりも多いと思います。最初は“ちょっとやってみようかな”ってノリでした。でも、今の自分にぴったりの職場だと感じていますね」
彼女は仕事に求める条件として、深夜の時間帯であることや、収入面での安定を挙げる。それは、自分にとって“夢のため”でもあるという。
5年前、19歳で福島県から単身上京してきた。4歳の頃からダンスのレッスンを積み重ね、数々のコンテストで優勝。「ダンサー」として初めての仕事は2011年、13歳ながらシンガーソングライター/ラッパー・AIのライブでオープニングダンサーを務めた。
じつは現在、ダンサーとゴミ収集業者の仕事との“二足の草鞋”生活なのだとか。
だが、ここに至るまでには紆余曲折あったという。両親の熱心な応援もあり、幼少期から「将来はダンスの道で食べていこうと決心していた」と話す。
「中学・高校時代からアーティストのバックダンサーのオーディションにたくさん応募して、湘南乃風や山猿などのライブにも出演しました。アルバイトでお金を貯めつつ、よりハイレベルなレッスンを受けるようになって。自分が講師として生徒に教えることもありました。
ただ、ダンサーは自分の足を現場に運ばないと大きなチャンスや仕事につながる情報は得られない。実力だけじゃなくて、人脈や運の要素も大事。今でこそSNSを使えばどこでも仕事が得られると思いますが、当時は難しかったんです。それで、福島にいては限界があるなって」
とはいえ、高校卒業後に上京してからは厳しい現実と向き合うことに……。
齋藤ひなのさん(24歳)は、神奈川県横浜市のゴミ収集業者(株式会社イーブライト)で働き始めて約1年になるという。記者はこれまで、若い女性の作業員を見かけたことは一度もなかった。彼女は、いったいなぜ、その仕事を選んだのだろうか。詳しい話を聞いてみた。
ゴミ収集業者の仕事は“今の自分にぴったり”
幼少期から「将来はダンスの道で食べていこう」
明治大学商学部卒業後、金融機関を経て、渋谷系ファッション雑誌『men’s egg』編集部員に。その後はフリーランスとして様々な雑誌や書籍・ムック・Webメディアで経験を積み、現在は紙・Webを問わない“二刀流”の編集記者。若者カルチャーから社会問題、芸能人などのエンタメ系まで幅広く取材する。X(旧Twitter):@FujiiAtsutoshi
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