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腕時計投資の伏兵・カルティエの“不人気モデル”が高騰したワケ。11万円の時計が「7年で50万円超」

高級腕時計市場は値下がりしている?

知人に勧めたステンレスのサントスガルベ

 腕時計投資家の斉藤由貴生です。  最近、腕時計は値下がりしているといわれることが多いように思います。しかし、長年相場を追っている私からすると、必ずしも現在の相場は「値下がり」というわけではなく、値上がりしている時計と、値下がりしている時計が混在しているといえます。  また、値下がりとなっている時計を例としても、3年前や5年前の水準と比べると「だいぶ高値」といった状態をキープ。2022年春という時期に「ものすごい上昇」となった経緯があるため、その時点と比べると値下がりでも、2021年春といった時期と比べると“値下がりではない”というケースが大半だといえます。  そういった値動きとなっているモデルは、いわゆる「人気モデル」です。人気モデルなのに値下がりしている(2022年春と比べて)という点が、「腕時計は値下がりしている」という印象を強く与えているのだと思います。  しかし、先にも述べたように、現在相場は必ずしも全体的に値下がり傾向となっているわけではないのです。ということで今回は、今値上がりしている腕時計をお伝えしたいと思います。

値上がりしている腕時計はサントスガルベ!

 その値上がりしている腕時計の最たる存在が、カルティエのサントスガルベであります。サントスには様々なシリーズがありますが、「ガルベ」はブレスレットを中心としたモデル。デビューしたのは1980年代ですが、バブル期にコンビモデルが流行っていたといえます。当時、カルティエは日本で「カルチェ」と呼ばれていたわけですが、その「カルチェ」の腕時計といえば、まさにこのサントスガルベだったといえるでしょう。  バブル期に流行っていたサントスガルベは、コンビモデルだったわけで、当時幼かった筆者目線でも、それをつけている大人をよく見かけた記憶があります。おそらく、1990年代前半頃までサントスガルベのコンビモデルが流行っていたと推測でき、後の中古市場でもそのぐらいの年式のコンビモデルを多く見かけたといえます。  しかしながら、1990年代後半の流行は、バブル期とは正反対となります。  その頃、日本では「ロレックスブーム」が起こっていたのですが、当時の人気モデルは、エクスプローラーの14270。シンプルなステンレスモデルが好まれたのです。そのため、サントスガルベ、特にコンビモデルは、「バブルの遺産」のような存在感となり、1990年代後半からしばらくの間、はっきりいえば「ダサい」という印象があったように思えます。  ちなみに、サントスガルベ自体はその時期にも現行モデルとして存在していたのですが、若干のマイナーチェンジを受け、ケース形状が変更。この世代は、サントスガルベの「後期」に当たる世代なのですが、不思議と後期ではステンレスモデルの方が多く、コンビが少ない傾向があります。  こういったことからも、1990年代前半と後半とで流行が「逆」になったということが分かります。
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不人気モデルになった後の相場は?
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1986年生まれ。日本初の腕時計投資家として、「腕時計投資新聞」で執筆。母方の祖父はチャコット創業者、父は医者という裕福な家庭に生まれるが幼少期に両親が離婚。中学1年生の頃より、企業のホームページ作成業務を個人で請負い収入を得る。それを元手に高級腕時計を購入。その頃、買った値段より高く売る腕時計投資を考案し、時計の売買で資金を増やしていく。高校卒業後は就職、5年間の社会人経験を経てから筑波大学情報学群情報メディア創成学類に入学。お金を使わず贅沢する「ドケチ快適」のプロ。腕時計は買った値段より高く売却、ロールスロイスは実質10万円で購入。著書に『腕時計投資のすすめ』(イカロス出版)と『もう新品は買うな!』がある

もう新品は買うな!もう新品は買うな!

もう大量消費、大量生産で無駄遣いをするのはやめよう


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