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唐揚げ店の閉店ラッシュは「当然の結果」。飲食大手の参入が”悪手”だった理由――ニュース傑作選

2024年、反響の大きかった記事からジャンル別にトップ10を発表。企業や業界の実態から2024年を振り返る「経済ニュース」部門、第9位の記事はこちら!(集計期間は2024年1月~10月まで。初公開2024年6月24日 記事は取材時の状況、ご注意ください)  *  *  * 外食産業専門コンサルタントの永田ラッパと申します。「日刊SPA!」では、これまで30年間のコンサルタント実績をもとに、独自の視点から「食にまつわる話題」を分析した記事をお届けしていきたいと思います。 今回のテーマは、「唐揚げブームとはなんだったのか」。記憶に新しい数年前のブーム時から一転して、減少の一途をたどる同業界の現状を、“プロ目線”で斬っていきます。どうぞお付き合いくださいませ。
からあげ

画像はイメージです

唐揚げ店が急激に増えた二つの理由

数年前から「唐揚げブーム」というものが続いていましたが、これはもう終息したと言っていいでしょう。「唐揚げ店閉店ラッシュ」「唐揚げブームに陰り」などといった報道もよく見かけますよね。しかし、私はブームと言われ始めたころから、その終焉が見えていました。「ブームはいつか終わるもの」「ほかのブームに取って代わられる」といったような、ステレオタイプものではなく、長続きし得ない理由があるのです。 そもそも、なぜ唐揚げブームが起きて店舗数が急激に増えたのか。その理由は、①出店コストが安い②商品的に参入障壁が低い、そのため個人事業主や中小事業者などが参入しやすかったから、ということが挙げられます。さらに大手飲食チェーンの参入がより拍車をかけました。

そもそも大手が手を出す業態ではない

苦しんでいるのは、個人経営や中小事業者の店舗ばかりではありません。大手飲食チェーンが展開していた唐揚げ専門店も苦境に陥っているのです。一見、資本力のある大手のほうが有利に思えるでしょう。事実、大手は多店舗展開も早く、大きな話題にもなりました。ですが、唐揚げ専門店という業態は、そもそも大手が参入すべきものではないのです。 個人事業主の場合、小さな店舗でオーナーのみのワンオペ経営や家族による経営が可能です。一方、大手の場合、一店舗でも社員やパートなどを配置すると人件費が上振れしてしまいます。間接コストも高いため、損益分岐点も必然的に高くなります。実際、大手が展開している店舗は閉店が目立っています。ロードサイド型店舗などは唐揚げ以外の商品ラインナップが増えてレストラン化してしまい、もはや唐揚げ専門店ではなくなってしまいました。 個人事業主が参入しやすい業態に大手が手を出すべきではありません。唐揚げブームにおいてもレッドオーシャンに飛び込んでいくようなもので、大手が太刀打ちできるものではないのです。
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「残っている店舗」の特徴は?
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1993年創業の外食産業専門コンサルタント会社:株式会社ブグラーマネージメント代表取締役。これまで19か国延べ11,000店舗のコンサルタント実績。外食産業YouTube『永田ラッパ〜食事を楽しく幸せに〜』も好評配信中。

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