― シリーズ「◯◯だけダイエット」の効果と罠【食事改善編】 ― 解説：森拓郎氏（フィットネストレーナー） 　ダイエットは永遠のテーマと言われるほど、いつの時代でも様々なダイエット方法が出てきます。現在だと、「○○するだけダイエット」や、「一日○分の運動だけで」というような簡単に手軽に大きな効果が出そうなタイトルが本屋さんではズラリと並んでいます。 　これらの方法が全然間違いだ！という風に批判をされる方もとても多いのですが、安易な否定はせずに、それぞれのメリットやデメリットを考察し、どのように選択をしていけばよいのか？ ということを解説していければと思います。 ◆ 「痩せる食事法！」という食改善系ダイエット方法 　食べ過ぎて太ってしまった。という人が多いわけですから、当然食事の改善が一番効果的なのは言うまでもありません。この方法は、食のプロである管理栄養士さんが考案しているものから、一般の方の成功例を元に考案されているものまでさまざまなものが提案されています。 　レコーディングダイエットや朝バナナダイエット等のように食事制限ではなく“食べなさい！”と強調する場合もあります。最近ではタニタ食堂のレシピなども有名です。 　レコーディングは、自分の食べたものが客観的に見られるので、案外忘れがちなその日食べたものを記しておくことで、酷い食生活を見直すこともできるし、書くのが面倒で、必要なものしか食べなくなるという効果もありますので、これは他のダイエット法とも是非組み合わせて行って頂きたい方法です。 　“食べなさい”という系統の方法は、管理栄養士さんなどのプロが書いている場合が多く、やはりしっかりとした栄養学を基に、食べるべきものや食べてはいけないものの知識をしっかりつけて、必要なものを食べるには、こんなに食べないといけませんよ！ と言っていることが多いように感じます。 　この方法は当然のように実戦すれば効果が出ます。ただ、これができないから痩せられない……という方が多いので、実際のところニーズは低いのかもしれません。 　“◯◯を食べるだけ”などの場合は、これは明らかに止めた方がよいことが多く、栄養が偏るばかりか、続けること自体が困難なため、例えダイエット効果があったとしても、それもやめてしまえば元通りだったり、その他の食生活が荒れていれば効果出ないこともあります。◯◯を食べるだけは、一番注意が必要な方法だと思われます。 　食の改善は、ダイエットの8～9割にウェイトを持っていってもよいくらい重要なものですから、やはり楽な方法に進まずに、最低でも身体に悪い太りやすい食べ物を摂取しないという、食の正しい知識をつけてダイエットに臨んでもらいたいです。 　ただし、食改善だけでは、運動や整体の矯正のような効果は絶対に得られません。ダイエットのメインに食改善を持って来ても、運動は適度に行うことが重要です。 ◆ 食事改善をメインに適度に運動をしつつ、骨盤矯正？ 　運動は、身体のスタイルを作る筋肉を作るためにも必要なことです。しかし、体脂肪を燃やすということにおいて、食の改善なしにはとても非効率的な方法です。体脂肪1kgあたりには7200kcalのエネルギーがありますから、運動だけでの体脂肪燃焼はフルマラソン3回分に相当するとも言われています。 　もちろんそれほどの運動をしなくても体重を落とすことは可能ですが、その分の食事を我慢することと、食べた分を消費するのとでは、効率的には完全に食事改善に軍配が上がります。矯正系のダイエット方法でモデルのような体形になることはほぼ不可能で、今より少しよい状態になるかも？ 程度の考えで気軽に始めるのはよいと思いますし、食事改善+運動の王道のダイエットにプラスするのは効果的かもしれません。 ◆ 結論「食生活の見直し」から 　結局、冷静に考えてみると、奇跡のダイエット方法を探すより、何故今自分の体型がこのようになったのかを自己分析して原因追究してみれば、一番に出てくるのが食生活でしょう。ほとんど食べてないのに痩せないという人は、実際に食べているものは何か、逆に食べれていないものは何か、という知識をつける必要があります。 　ですから、正しい食生活の知識をつけて、その人の好きなダイエット方法を試すというのが理想的かもしれません。正しい知識は『◯◯ダイエット本』の前に、食品栄養成分表を購入するところからですね！ 【森 拓郎（もり たくろう）】 1982年生まれ・フィットネストレーナー。加圧トレーニングやピラティス、整体など、様々なメソッドを扱い、顔から爪先まで、顧客の理想のカラダづくりをおこなうボディーワーカー。自身のコンセプトスタジオ『rinato』を運営。ブログ（http://ameblo.jp/t960）でもダイエット・美容情報を更新中！