“腹筋運動”で腹は凹まない!【夏のダイエット研究】
―[森拓郎]―
冬の間にたっぷりと蓄えたお腹の肉。見ればみるほど「どうするんだこれ」と悲しい気分になってくる。そこで、 正しい知識で効率的に肉体改造すべく、フィットネストレーナーの森拓郎氏による短期集中ダイエット連載をスタート!
「とりあえず夏までにお腹をなんとかしたいから毎日腹筋を頑張ってやっているよ」こんなことをよく聞きます。全く効果がないとは言いませんが、実はこんなことを延々やっていてもお腹はなんとかなりません。世の中の皆さんの認識の大きな間違いとして、腹筋運動をやればやるほどお腹が凹むと思っていることがあげられます。
「腹筋が弱いからお腹に肉がつく」という認識も間違いで、確かに身体でも動きが悪いところや、筋肉が少ないところなどが体脂肪が付きやすくなるということは間違いではありません。しかし、だからと言って腹筋運動をやって腹筋を鍛えれば、そこの脂肪がどんどん落ちていくという都合のいい現象は起きないのです。
◆お腹が出る原因は内臓脂肪
出ているお腹を触ると、どうしてもそこに掴める脂肪が悪さをしているように思ってしまいます。しかし、実はそれよりお腹を出ているように見せているのは内臓脂肪。内臓脂肪は女性より男性につきやすく、吸収の早い炭水化物を摂ることによって、とっても付きやすい脂肪なのです。特に脂肪になりやすいのは、高カロリーなスナック菓子や糖質の多い飲み物。ビールや清涼飲料水です。また、パンやご飯、麺類なども代表的で、これらを重ねて摂取するか、一度に大量に摂取することが原因であることが多いのです。
例えば、ラーメン+ライスなんていうのは一番最悪で、そこにビールを足せば、内臓脂肪は付き放題です。ドリンクバー付きの食事をして、最後にデザート……なんていうのも大変ですね。内臓脂肪はこういったことを繰り返していると、簡単に付いてしまいます。
◆もう一つの原因は内臓下垂
「胃下垂だから痩せている」という人に多いのがこれ。下腹がポッコリ出ている女性にも多いです。これは、生まれつきの問題もありつつ、筋力の低下によって内臓を支えるインナーマッスルが支えきれず、本来お腹の中心に収まるはずの胃や腸が骨盤のところまで落ちてしまっている状態です。こうなると、脂肪がついているわけではないのに、お腹が出ているように見えてしまいます。これも、インナーマッスルの筋力低下と、姿勢保持能力の低下なので、一般的な腹筋運動では解消されません。
◆やっても無駄な腹筋運動
手を頭の後ろにあてて上体を起こす、一般的な腹筋運動はアウターマッスルである腹直筋(6つに割れる腹筋)を鍛えるのには有効なのですが、これを鍛えることと、お腹を凹ませるということは直結しません。むしろ、お腹が出ていると、お腹の脂肪が邪魔でそもそも肝心の腹筋を寄せることができないので、腹筋運動としての効果が薄いばかりか、腰や首を痛める原因となりますので、お腹が出ている人が無理して腹筋運動をするのはやめておきましょう。
◆内臓脂肪には食事改善。内臓下垂にはインナーマッスル強化
さて、ではどうしたらいいか? ということについてですが、基本的に原因に対してアプローチをすればいいだけです。ラーメン+ライスを食べながら腹筋運動をしてお腹が凹むはずがありませんから、腹筋運動をやめて、炭水化物の量を減らしましょう。
まずは炭水化物を重ねないようにして、飲み物は水かお茶にしておきましょう。内臓下垂でお悩みの方は、インナーマッスルの強化が必要です。インナーマッスルというと難しそうなイメージがありますが、ご自分でお腹をすっと引き上げて、ウエストを細くしてみましょう。ちょうど、オードリーの春日さんのような感じです。
「え? これだけ?」と思われるかもしれませんが、実はこれがインナーマッスルを使っている状態です。何を隠そう、身体を動かしているときには絶対に筋肉が必要です。このように、自分でお腹を凹ませる力がインナーマッスルの力。これが弱ると、つまり内臓が落ちてくるというわけですね。 <画像/DVIDSHUB by Flickr>


―[森拓郎]―
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