初心者ランナーの8割にトラブル発生。「ヒザが壊れる走り方」をプロが警告
外出自粛に伴う運動不足解消のため、ランニングを始めた人が急増した2020年。しかし、初心者ランナーの実に8割が何らかの痛みを抱えているという。スポーツ用サポーターやテーピングなどを展開する「ピップ プロ・フィッツ」テーピングインストラクターの丸山里夏氏は「当社でTwitterを通じて300人を超える市民ランナーにアンケートを実施したところ、『初心者ランナーのときに痛みを抱えた経験がある』と回答した人が79.2%もいました」と明かす。
「さらに『痛みを感じた部位』について聞いたところ、『ヒザ』と回答した人が57%と、他を引き離してダントツに多かったんです」
初心者が陥りがちなヒザの痛み。果たしてどういったメカニズムで発生してしまうのか。
「まずヒザの構造から説明すると、太ももの骨(大腿骨)とスネの骨(脛骨)が結合する部分が『膝関節』。ただし、骨同士がくっついているわけではなく、筋肉によってつながっています。その骨同士を結合している筋肉が『靭帯』です」
筋肉によって骨と骨とを結合し、関節を形成する「つなぎ目」こそ“悲鳴”を上げることの多い部位とのこと。
「ヒザの痛みは、この膝関節を支えている靭帯が引っ張られたり、骨と擦れたりして炎症が起きることで生じます。ヒザの靭帯はランニングに伴う屈伸運動や地面からの衝撃で負荷がかかりやすいので、ランニングを始める際にはぜひ覚えていていただきたいです」
ひと口に「ヒザの靭帯」といっても1箇所ではない。主なヒザの症状は下記の3箇所が挙げられるという。
<主なヒザの症状>
・腸脛靭帯炎(ランナーズニー)……ヒザの外側の靭帯(腸脛靭帯)の炎症
・膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)……膝蓋骨(ヒザのお皿)をつなぐ靭帯(膝蓋靭帯)の炎症
・鵞足炎……ヒザの内側の靭帯(鵞足部)の炎症
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