生肉規制なしのタイでユッケ・レバ刺を食べてみた
⇒【写真】タイの「レバ刺」&生肉料理「ゴイ」 https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=411453
ちなみに、タイ料理にも生肉料理が存在する。ゴイという料理で、生肉、内蔵各部位を炒り米の粉や生唐辛子と混ぜあわせ、最後に血を和えてできあがり。肉は牛でも豚でもなんでもあり。地方では野生の猪や鹿の肉でこの料理作って、あたってしまい亡くなる生肉好きが年に数人いるほどのハードな逸品だ。これらはバンコク市内のどこの屋台でも頼めば作ってくれる。ぜひお試しあれ。ただ、リスクはあるので自己責任で!
<取材・文・撮影/高田胤臣 取材協力/玄風館 バンコク・トンロー店 電話:+66-2-663-4296>
全国の生肉ファンのみなさん! 一部、レバ刺が復活した店があったり、密封パック式のユッケが登場したりと、やや復活の兆しを見せてはいますが、まだまだそこまで流通しておらず、まだまだ遠い存在であるユッケやレバ刺が懐かしくありませんか?
もう一度食べたいでしょう? これがまた意外なところで食べられるのです! それは、なんとバンコク。東南アジアの人気国、あのタイの首都でレバ刺とユッケが堪能できるのです。旅行や出張に来た際はタイ料理なんて食べている場合じゃない!?
タイは日本と違い、食に関してはほとんど自己責任。この暑さで悪いものにあたってしまうこともなくはない。ところが、深刻な人数の食中毒が発生した場合は行政も動くが、数人レベルではニュースにすらならないし、クレームも入らない。なので、基本は自己責任で、というところだ。まあ、タイに関わって15年になる記者は一度も食べ物にあたったことがないので、それほど気にかけることでもないだろう(※もちろん法律や条例では衛生法などがあって、いくらタイとはいえそれなりに厳しい基準が設けられている)。
そんな自己責任のこの街で、おいしいユッケとレバ刺にありつけるのは、もうすでに知る人ぞ知る事実。韓国式焼肉店でも日本式焼肉店でも供されるのだが、やっぱり安心なのは日本の焼肉店だ。中でも、博多で60年の歴史を誇る玄風館のバンコク店では日本と変わらない鮮度のものが食べられる。日本からの出張者の中には食いだめと、1日に4皿も食べていく人もいるのだとか。
「3年前までは日本から新鮮なものを輸入していましたが、結局それもできなくなってしまったので、タイの肉牛飼育協同組合が生産するタイ・フレンチという高級種を1頭買いして、いい部分だけを厳選して使っています」
頭を切り落としただけの状態のものを仕入れ、厨房で解体する。玄風館創始者である祖母と2代目の父から肉の扱いを仕込まれたバンコクのオーナー、野中さんにとって解体はお手のもの。また、タイ人調理師もこの手の作業は得意とするところで、あっという間に各部位に分けられる。
「レバ刺やユッケにする部位は3日以内に消費するようにしています。これ以上時間が経つと生では厳しいですね」
南国タイだけに、安全管理は日本以上に気を遣っているという。
もちろん、記者もしっかり味見をして参りました! 久々のレバ刺。玄風館では400バーツ(約1200円)。そしてユッケは330バーツ(約990円)とそこそこのお値段。
レバ刺はトロリとした舌触り。甘みがありつつ、大人の味を醸す。臭いは全然ないので、間違いなく鮮度はいい。ユッケは卵黄の濃厚な味と野生的な食感がたまらない。ああ、今、生肉を食べているぞ! 活力がみなぎるような満足感を得た。
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