年収350万円の男が婚活女子にとって絶好のターゲットとなる時代
―[山田ゴメス]―
今、結婚を大前提とする、真剣に付き合える相手を求め、さまざまな活動に精を出す“婚活女子”のあいだで、「年収350万円の男を探せ!」という新しい兆候が芽生えはじめているという。500万でも600万でも1000万でも1億でもなく、あえて350万円(!)。それって、ホント? ホントならなんで?
我々男子たちにとっては大朗報な(?)ニューウエィブの真偽と詳細を、その提唱者で、『幸せな結婚がしたいなら年収350万円の男を育てなさい』(牧野出版)の著者でもあるカリスマ夫婦問題カウンセラー・岡野あつこさんが語ってくれた!
――先生! 今日は我々庶民男子が泣いてひれ伏すような珠玉のレクチャーを、ここで行っていただけると聞いたのですが……?
岡野あつこさん(以下、岡野):幸せな結婚がしたいなら年収350万円の男を育てなさい……のことかしら?
――はい! つまり、先生がそれを女性に向かって提言しているってことは、我々男子からすれば、「年収350万円でも卑下することはない」ってこと、ですよね?
岡野:卑下することなんて全然ないわよ! だってアナタ、たとえば年収400万円以上の未婚男性が、今の日本にどれくらいいるか知ってます? たった158万人強なんですよ。一方で、適齢期の未婚女性は、と言えば約387万人! 全然、数が釣り合っていないわけです。
――おおよそ「未婚男子1人に対して未婚女性2人」の計算ですね。たしかに、男子側からすれば心強いデータではありますが……?
岡野:「女性2:男性1」という数字は、ちょっと自分に自信のある女性にとっては「1/2なら、私の魅力で……」と楽観視してしまいがちな確率なのかもしれません。でも、一般の企業で働く男性は、早いうちに結婚することによって社会的信用が得られたり、女性の支えを受けながら仕事ができたりと、たくさんのメリットが出てくる……。そのため男性は、社会的ステイタスに恵まれた人から順当に“ツバをつけられていく”ものなんです。つまり、そのラインの男性を狙うのは意外とハイリスクだってこと。データ上の数字以上にパイは少なかったりするんですよ。
――それ、先生の力で、もっと広く世の女性たちに知らしめてくださいよ!
岡野:だったら、この本がベストセラーになるように、SPA!さんも精一杯努力して(笑)! あと、高収入の男性にありがちな落とし穴も忘れてはなりません。
――ほう。
岡野:高収入の男性は、結婚してからも独身時代と同じように、仕事やプライベートの付き合いといった「外」にお金を使ってしまい、貯金がまったくできないケースが往々にしてあるんです。さらに独身時代より自由になるお金が少なくなったことに対して「妻がいるからオレのこづかいが減った」と八つ当たりしてしまう傾向が強く、結果、一番ケチになる相手が妻になり、家族になっていく……。それだけなら、まだマシですよ。最悪の場合、その八つ当たり意識が、浮気やギャンブル、DVにまでつながる可能性もなくはない。
――先生は、高収入の男に、なにか恨みでもあるんですか?
岡野:そんなことないわよ(笑)。これまで2万人以上の離婚相談を受けてきた上で、さまざまなパターンをあくまで客観的に分析した結果です。
――わ、わかりました! ただ、我々男子たちも先生の金言を聞いて、「低収入でも平気なんだ……」と、やみくもに安心してりゃいい、ってわけじゃないですよね?
岡野:もちろん! 先ほど「なぜ年収350万円なのか?」の理由の一つとして挙げた「それ以上を狙ったときのリスク」より、もっと重要な理由が、じつはもう一つあるんです。
――そうなんですか?
岡野:年収350万円というのは「夫婦二人で世帯収入を上げたり節約したりする努力をしよう!」という気持ちになれるラインなんです。私、お金に関する努力が、じつは夫婦のあいだで一番“同士感”を得やすいと思うんですよ。夫の年収が350万円なら、妻も「じゃあ、私もヒマがあればパートでもやって世帯収入500万円を目指そう!」と頑張れる。でも、これが夫の年収600万円とかになれば、妻は「その範囲内でなんとかやりくりしようか……」なんて甘えから、つい努力を怠ってしまいがちになるじゃないですか? そこで夫婦関係の対等さが崩れ、仕事やお金に関する価値観にもズレが生じるんです。
――なるほど……。じゃあ、僕ら男子は、「たとえ年収が350万円しかなくても、このヒトとなら一緒に頑張れる」と女性から想われるよう、努力すれば良いってことですね?
岡野:そのとおりです。
――具体的には、なににどう注意すれば“モテる年収350万独身男”になれるのでしょう?
岡野:とにかく見栄を張らないこと! 「今日は給料日前で、あんまりお金がないから、安い店でごめん」だとか「今月はちょっと厳しいからワリカンでいい?」みたいな“ムリをしない正直さ”を素直に伝えられることが大事。かといって、いつもデートがファミレスやラーメンばかりの、まったく見栄が張れない男性も考えものですけどね(笑)。
――けっこう心当たりが……(笑)。コレ、簡単なようで案外むずかしいですよね? 僕(ゴメス記者)みたいにバブル期を通り抜けてきた世代の男はとくに……。
岡野:まあ、最近の適齢期の男性は、ゴメスさんみたいな見栄っ張りも減ってはきていると聞きますけど。最後に私から皆さんに、イギリスに古くからある、この諺を捧げましょう。
「結婚は悲しみを半分に、喜びを2倍に、そして生活費を4倍にする」
――なんで「生活費が4倍」なんですか?
岡野:そんな細かいことばっか気にしてたらモテないわよ!
<取材・文/山田ゴメス>
【岡野あつこ】
夫婦問題研究家。結婚後、専業主婦になるものの、夫の度重なる浮気が発覚。女性として自立の努力を重ね36歳で慰謝料ゼロで離婚。そういった実体験に基づきながら夫婦問題を解決に導くライフアップカウンセラーのパイオニア。特に離婚問題においては22年間で25,000件以上の相談を手がけ、どうしたら幸せになれるか親身にアドバイス。的確で歯切れのよいコメントは、テレビ番組・ラジオ・講演などでも、多くの人の共感を得ている。
●岡野あつこ公式サイト(http://www.azco.co.jp/)
●実践 離婚カウンセラー養成講座(http://rikon.ne.jp/)
●離婚相談救急隊(http://www.rikon.biz/)
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。また『解決!ナイナイアンサー』のクセ者相談員の一人でもある。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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