更新日:2017年11月14日 22:22

性転換した大学講師・吉井奈々が「美容整形の今」に迫る【後編】

―[山田ゴメス]―
吉井奈々さん

吉井奈々さん

 女性にとって、美容整形をしたことを大っぴらにカミングアウトすることが、かなりの勇気を要する行為であるのは想像に難くない。だが、そんな“やましさ”をジョーク混じりにあっけらかんと語る人たちがいる。言わずとも知れた“ニューハーフ”の皆さんである。  今回は、総額2000万円近くをかけて性転換を果たし、戸籍を女に変え、ノンケ男子と結婚!――という“オネエ・ドリーム”を実現した大学講師・吉井奈々さんが、みずからの実体験をもとに「美容整形の今」へと迫った! 去年12月に刊行した絶賛発売中の自著『男に生まれて、女になって、結婚もできました。』(日本文芸社)を引っさげ、金の糸美容施術で有名な「ベル美容外科クリニック」の顧問医を務める飯塚雄久先生に凸撃取材!! ⇒【前編】はこちら 吉井奈々(以下、奈々):あと、他に気をつけたほうがいいパーツって、あります? 飯塚雄久先生(以下、飯塚先生):見たところ、今はシワというシワはないから……肌もキレイだし。将来的にもシワとか日焼けに注意していれば大丈夫なのでは? 奈々:また商売っ気のないお言葉(笑)! 私、今は湘南に住んでいるし、じつは南国好きだったりもするんですよ。そりゃたしかに最低限の日焼け対策はするけど、あまりそこに気を使いすぎたくはないんですよねー。 飯塚先生:じゃあ、あえてオススメするなら、「水光注射」だな。 奈々:それ、私もすっごく注目してるんです! 今後の美容外科を変えていく、と言っていいくらい革新的な施術だと聞いているんですけど、具合的にはどんな施術なんですか? 飯塚先生:5本の針が出てきて、その針が一定の長さで一定の深さに注入できるようになっている。そこにヒアルロン酸やボトックスや線維芽細胞増殖因子ほかの薬剤を入れて、患者さんに合うようブレンドできる仕組み。まだ日本で本格的に取り入れられて1年くらいなのかな? 10分くらいで終わる簡単な施術で、顔全体で7万円強。それを3週間に一回くらい受けることができたらベストです。 奈々:あらー、けっこうな出費じゃないですか~? 飯塚先生:かもしれないけど、ヘタなエステ行くよりはいいんじゃないの(笑)? 奈々:わかるわかる! 私、どちらかと言えば“アンチエステ派”なんで(笑)。だって、美容外科は医療行為だから、(施術中に)万一火傷とかをしても、薬が処方できますよね。でも、エステだと医療行為じゃないから、たとえば同じくらいの金額を払って脱毛するにしても美容外科の60%くらいの効果しかのぞめないって先入観があるんです。ほら、脱毛って熱を持つから、薬が処方できずに冷やすしかできないとなれば、施術もおのずと及び腰になるじゃない? 美容外科なら麻酔もできますしね。昔、一度エステで脱毛をしたことがあるんですよ。すっごく痛いのに、ただ冷やされておしまいだった……。 飯塚先生:エステっていうのは僕の感覚ではリラクゼーションなんですよ。行って、癒されて、キレイになって……。だから、お互いいがみ合ったり、お客さまを取り合ったりするのではなく、美容外科界とエステ界がもっと協力し合っていけばいいと思う。できることはエステで、エステでできないことは美容外科で、という風になれば理想なんじゃないかな? クリニックで施術を済ました後のメンテナンスはエステで、みたいに。現に、ウチのお客さまはエステからの紹介が半分以上です。エステに通っている方たちは、総じて美意識も高いですから。 奈々:やはり、美容外科というのは一般の女性からすると、ハードルが高くて躊躇しがちだと思うんです。でも、エステだと入口としては入りやすいですよね? あえてたとえるなら、エステがキャバクラで美容外科が銀座のクラブ、みたいな(笑)。
吉井奈々,飯塚雄久

対談後には仲良くツーショット

<取材・文・構成/山田ゴメス> 【吉井奈々】 ’81年神奈川県生まれ。10代より性別にとらわれず数々の水商売の経験を積み、経営にも携わる。’04年、23歳で性転換の手術を受け戸籍上も女性になり、’10年、中学時代の同級生と結婚。元男性でありながら、女性として結婚するに至った経験を踏まえ、コミュニケーション研究家・婚活講師としてセミナーや講演会で活躍中。2007年からは大学にてコミュニケーション・心理・家族社会学などの講義を担当。現在は非常勤講師として教鞭を取るかたわら、テレビやラジオ、Webなど各種メディアに出演中。オネエに目覚めたきっかけから結婚に至るまでの実体験を赤裸々に告白した近著『男に生まれて、女になって、結婚もできました。』(日本文芸社刊)が発売中。公式ブログ:http://ameblo.jp/xoxo-nana-xoxo/ 【飯塚雄久】 ’62年東京都生まれ。東京慈恵医科大学卒業後、同大学の形成外科入局。’97年、神奈川県厚木病院形成外科責任医長に就任。’01年から高須クリニックに勤務。美容外科症例数は数万例に及ぶ。’07年、『ベル美容外科クリニック』の顧問医に就任。「ベル美容外科クリニック」住所:東京都渋谷区渋谷区渋谷1-12-7 CR VITE 10階 電話番号:0120-15-4142(グリーダイヤル)公式サイト:http://www.belleclinic.com/ 【山田ゴメス】 1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。また『解決!ナイナイアンサー』のクセ者相談員の一人でもある。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」(https://nikkan-spa.jp/gomesu)も配信中。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)も好評発売中!
―[山田ゴメス]―
男に生まれて、女になって、結婚もできました。

オネエに目覚めたきっかけから結婚に至るまでの実体験を赤裸々に告白。今どきのオネエ事情もコレ一冊で丸わかり!

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