鹿島アントラーズが2012年からFacecook、Twitterでサービスを開始したSNSキャラクターの「コンシェル樹（じゅ）」。開設当初から、ファンの間では「情報発信が少なく、微妙」との声が殺到していたが、最近になり「コンシェルジュ樹が生まれ変わった！」と、ファンの間で話題になっている。 　クラブリリースによると当初、この「コンシェル樹」は 「ファン・サポーターの皆様とクラブを独自の目線とつなごうとする、ファンクラブ事務局より生まれたキャラクター」 「ファンクラブ事務局によくある問い合わせへの回答や試合時の緊急連絡、渋滞情報発信等」 　という目的で作られたのだが、実際に当時のつぶやきを確認してみると ⇒【画像】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=601851 「明日の湘南戦、様々なイベントもございますので、皆様ぜひスタジアムへお越しくださいませ！」(2013年5月5日のつぶやき) 　とだけつぶやき、具体的にどのようなイベントがあるのかにはノータッチ…… 「本日のスターティングメンバーが発表されました！本山選手と前野選手が先発復帰でございます！」(2013年5月6日のつぶやき・その1) 「ダヴィ選手のスーパーゴールを守り切り、1-0で勝利いたしました！！ホッとしましたでございます…」(2013年5月6日のつぶやき・その2) 　スターティングメンバーが発表されたとだけつぶやき、実際にどんなメンバーのかはスルー。試合が終わった後も、何の変哲もない試合の感想しかつぶやかず、ほぼ毎試合このパターンだった。 　Facecook、Twitterでフォローしている鹿島ファンの間からは 「こちらの質問には一切答えてくれないし、グッズの宣伝が多く、試合のスターティングメンバ―もろくに発表しない」 「有料のアントラーズ公式モバイルサイトの方で、より有益な情報を流したいらしいけど、じゃあなんでこのSNSアカウントを作ったのかがわからない。クラブには申し訳ないけど、『いまどきSNSのアカウント持ってないとまずいからとりあえず作っておきました』感が漂ってくる……」 「このアカウントをフォローしても特に新しい情報もなければ、ファンに向けた気の利いたつぶやきもない。フォローする意味がない」 　といった感じで非難が殺到していた。 　だが、2014年シーズン開幕を控えた2月ごろから、コンシェル樹に変調の兆しが現れ出したのだ！ 　今までは特に役に立たない情報しかつぶやかなかったのだが、 「今シーズンも多数のシーズンチケットのお申込みまことにありがとうございました。 シーズンチケットの受付は21日まででしたが、担当によると今年は“ユニフォーム付き”を購入されるお客様の割合が多かったようです！」(2014年2月23日のつぶやき) 「ホームゲームではありませんが、3月1日に国立競技場で開催される、甲府戦のチケットが本日から発売されておりますね！ Jリーグチケット、チケットぴあ、ローチケ、イープラスなどでも購入できるようです」(2014年2月25日のつぶやき) 　などと、コンシェル樹ならではの独自情報や、ファンにとって有益そうなアウェースタジアムのチケット販売情報をつぶやくようになり、先日行われた開幕戦では 「本日のスタメンが発表されました！ [GK] 21 曽ヶ端 準 [DF] 24 伊東 幸敏 5 青木 剛 15 昌子 源 16 山本 脩斗 [MF] 20 柴崎 岳 40 小笠原満男 25 遠藤 康 19 豊川 雄太 [FW] 28 土居 聖真 11 ダヴィ」(2014年3月1日のつぶやき・その1) 「続いてサブメンバーです！ GK 1 佐藤 昭大 DF 23 植田 直通 MF 8 ルイス アルベルト MF 27 梅鉢 貴秀 MF 10 本山 雅志 MF 35 野沢 拓也 FW 18 赤崎 秀平」(2014年3月1日のつぶやき・その2) 「本日の朝日新聞には、東北人魂で活動する小笠原選手の記事が掲載されておりますね！　また明日の読売新聞に入る、よみうりタウンニュース1面には小泉選手のインタビューが掲載されるそうでございます！」(2014年3月5日のつぶやき) 　とうとうスターティングメンバーや選手のメディア露出情報までつぶやくようになったのだ。 　こうしたコンシェル樹の変化に鹿島ファンたちは 「とうとう樹がやる気出した！」 「コンシェル樹が生まれ変わっている……！！！！！」 「そしてコンシェル樹がスタメン呟いてる…！！ 開幕戦だからなの？それとも改心したの？」 「今度の中の人は有能だなー」 　と、驚きの声が上がっている。 　長年、鹿島サポーターをやっているAさんに話を聞いたところ 「鹿島はこれまでの成績やチーム作りは有能だけど、ファンや地元に対しての意識が薄い。100人のファンを増やすことより、1人のSOCIO会員(高額な年間シート契約者)を増やすことにやっきになっている。でも、SNSでもなんでも、地道な活動は地元の住民はもちろん、ファンはしっかり見ている。そういった意味で、コンシェル樹が活発になったのはいい兆候だと思います」と語る。 　現在、鹿島アントラーズは積極的に若手選手を起用し、チーム改革の真っ只中にあるが、クラブスタッフの間でも「改革」が行われている最中なのかも……。 ＜取材・文／日刊SPA！取材班＞