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Jリーグの黒船「DAZN」は救世主か?

誕生して四半世紀、25年目のJリーグが開幕する。大物の移籍、昇降格後の組閣など、開幕前の話題に事欠かないが、最大の話題は、前代未聞の巨額契約を結んだ海外動画配信大手の参入だ。中継方法やチーム運営に多大な影響を与えると噂されるが、果たして……。

10年2100億円!超大型契約の影響は!?

記者会見

記者会見でのジェームズ・ラシュトンCEO(右)と村井満チェアマン

「“ダズン”と言われたり、『テレビで観られるの?』なんて問い合わせを数多くいただいております」  1月20日、Jリーグと「DAZN(ダ・ゾーン)」のパートナービジョンを発表する記者会見の冒頭でJリーグの村井満チェアマンは自虐を込めた挨拶で報道陣の笑いを誘った。それもそのはず、Jリーグの開幕が迫っているというのに、そのDAZNの実態がなかなか見えてこないのだ。  昨夏、Jリーグが動画配信大手の英パフォームグループと’17年から10年間の放映権契約(IT・モバイル配信、有料サテライト放送など)を結んだことで話題となった。Jリーグ放送といえば、’07年以降は優先放映権を獲得していた「スカパー!」で知られていたが、この契約によりスカパー!でのJリーグ戦の放送は完全終了。2月25日に開幕する新シーズンからは、そのパフォームグループが運営するスポーツライブストリーミングサービスDAZNでJ1・J2・J3の全試合が生中継されることになったのだ。  だが、耳目を集めたのはその破格の契約金。Jリーグがパフォームと合意した放映権料は10年で約2100億円とされ、日本のスポーツ放映権としては過去最大。昨年までのスカパー!との契約の4倍以上とも言われている。  近年新たなファン獲得に苦しんでいた“ジリ貧のリーグ”にすれば、こんなにおいしい話はない。しかし、コアなサッカーファンの間では「サッカー中継=スカパー!」というイメージが定着していたこともあり、この急転換に不安の声も少なくないのが事実だ。
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テレビのスカパー!に対し、デバイス視聴のDAZN
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