更新日:2017年11月14日 14:50
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「AKB商法の解決策はキャバクラに学べ」木村和久

― 木村和久の「オヤ充のススメ」その19 ―

AKB商法の解決策はキャバクラに学べ!

アイドルの握手会はファンの暴走という危険も孕んでいる。※写真はイメージです

 最近、何かと話題のAKB商法だが、ファンとの距離が近すぎて痛ましい事件も起こり、過渡期にさしかかっている。今後どうすべきかは、関係者がいろいろやるだろうが、ここではAKB商法の底流にあるキャバクラスピリッツを探り、今後の方向性を探りたい。  初めて生のAKB48を見たのは、今から4~5年くらい前の秋葉原のAKB劇場だった。まだ爆発的な人気ではなく、並んでいれば最前列のかぶりつきで、ショーを楽しめた。アイドルとすげえ距離が近いのにまず驚く。手を伸ばせばAKB48に届きそうだ。そういう距離感の近さが、間違ったファンの犯罪を誘発させるとは当時、夢にも思わなかったけどね。  低いステージだから、ミニスカート姿だとパンツが見えそうだ。それってキャバクラのショータイムと酷似しているよね。たどたどしく踊る姿もキャバ嬢っぽいし、普通っぽいコの中に、時々可愛いコが混じっている編成も、キャバクラと同じフォーメションだ。だいたいショーの口パクまでキャバクラと一緒、当時からAKB48は、キャバクラのシステムをまんま流用していると思った。  だいたいセンターを人気投票で決めること自体がキャバクラだ。キャバクラの女子トイレに行けば、指名の本数が棒グラフで表されて、一番人気はパンフレットのセンター写真になるのがお約束だ。  最近はシアターの次にカフェを作って、2軍ながら会えるようにしたんだけど、まさにそれってキャバクラの店舗、そのものじゃないですか。どこまでもキャバクラに似せて作ってしまったがゆえに、キャバクラで起こることが、AKB48にも起こってしまったと言わざるを得ない。  キャバクラにも熱心で風変わりなお客さんはいる。キャバクラの目的は口説くことだから、そこに対して高価な時計やジュエリーをプレゼントして、その代わりに「1回お願いします」となるのだが、普通は客の魂胆が見えているので、キャバ嬢もプレゼントをもらわないでいる。けど、欲深いキャバ嬢は、高価な送りものをいただき「やらずぼったくり」に出ることもある。怒った客はマジギレし、店のテーブルをまたいで飛びかかり、キャバ嬢の首を絞めた逸話が残っている。その客はすぐ従業員に取り押さえられて、出禁になったが、客の気持ちが分からないでもない。  キャバクラは「客とキャバ嬢」の関係だから、客が偉かったりする場合もあり、女性との密着度が増すことが結構ある。けど、AKB商法は芸能界でやっているから、「スターとファン」の関係を超えることはまずない。何万円分のCDを買っても、できることは握手のみ。  でも常日頃、テレビで見ているアイドルと握手ができて、挨拶程度の会話ができるなら、地方の高校生あたりにとっては、天にも昇る気持ちなんだろう。  今の若者は、AKB商法で散々金を巻き上げられているから、オヤジになったら、キャバクラに行けばいいカモになるんじゃないか。こんな事件が起きたら、ますます大人しくなり、ルールやマナーも守るし、扱いやすいお客さんになるのかもしれない。  今後のAKB商法の行方はどうなるか?  そりゃ芸能界のかっぱき商売の王道、ディナーショーですよ。超ビップな歌手は、クリスマス週間だけで、4億円稼ぐと言われますから。限られた警備のしっかりしたホテルのバンケットで、握手や記念撮影、そして軽いトークなどのサービスをやれば、1人5万円ぐらいは取れるだろうなあ。  ただ子供相手に高額なディナーショー開催だと問題があるから、まず名前を「ファンの集い」にして、親近感を持たせないと。高額な料金は一部にして、何割かは安い料金で抽選制にするとか、ポイント性にして貢献度で開催しないとダメだろう。  もともと水商売と芸能界は距離が近い。10年ぐらい前までは、大手芸能プロダクションが直営のクラブを運営していた。そこで女優、アイドルのタマゴが、芸能関係やテレビ局関係者の客に接客し、気に入れば一本釣りして仕事をもらえた。昼の空いている時間帯は、ボイストレーニングやウォーキングなどして、明日を夢見てたんだが、どうも水商売をやらせてから芸能界に出るという経歴が、ネガティブに見えてしまう。そうこうしているうちに、ITバブルがはじけてなくなってしまったんだけどね。  AKB48に水商売をさせたら、そりゃ儲かるだろうが、やはりそれは無理。まずは大人AKBあたりから、グランドキャバレーで歌謡ショーをしてもらい、ステージ明けに客席に座って接客してもらおう。これならありかもしれない。
木村和久

木村和久

「白いバラ」というキャバクラは、日本全国の地方出身者を集めて、東京にいながら、地方の訛りを聞いて、お国自慢に花が咲くシステムだ。AKBもちょうど地方展開をしているから、そこらへんで人気取っていくのもアリだね。 ■木村和久(きむらかずひさ)■ トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦
トレンドを読み解くコラムニストとして数々のベストセラーを上梓。ゴルフやキャバクラにも通じる、大人の遊び人。現在は日本株を中心としたデイトレードにも挑戦。著書に『50歳からのかろやか人生』
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