弘兼憲史氏、デビュー40周年記念パーティーで熱唱
『島耕作』シリーズ、『黄昏流星群』などで人気の漫画家・弘兼憲史氏が、今年でデビュー40周年を迎えた。それを記念して「弘兼憲史先生 画業40周年を祝う会」が11月5日、都内のホテルで盛大に開かれた。
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イントロダクションとして会場内のスクリーンに弘兼氏のデビューから現在までの作品が次々に映し出されたあと、主催者である小学館&講談社の社長あいさつ。続いて、ワイン好きの弘兼氏らしくワイン樽による鏡割りが行われた。
乾杯前のスピーチでは、藤子不二雄A氏が「これからも50周年、60周年と描き続けていただきたい。ま、50周年のときには僕はもうこの世にいないと思うので、草葉の陰からお祝いしてます」なんて自虐ネタ(?)で笑いを取り、乾杯の音頭はサントリーホールディングス社長・ローソン会長の新浪剛史氏。さらに、祝辞で登壇したのがファーストリテイリング会長兼社長の柳井正氏、バンダイナムコホールディングス社長の石川祝男氏、東京海上ホールディングス会長の隅修三氏……と、とにかくもう社長か会長か勲章もらった人しか出てこない。まさに『会長 島耕作』の世界である。
しかし、真のメインイベントはそのあとだった。宴もたけなわとなった頃、会場の一角にしつらえられたステージに、弘兼氏お気に入りの若手実力派インストバンド「B・C・V」が登場。弘兼氏みずからの司会によりベンチャーズの曲をノリノリで演奏し、会場は大いに盛り上がる。そこにスペシャルゲストの漫画家・浦沢直樹氏が参戦し、ロックアレンジの「川の流れのように」を披露すると、サビの部分では弘兼氏もマイクの前で熱唱! そして、2曲目の「ボブレノン」(『20世紀少年』の劇中歌で通称「グータラスーダラ」)では、なんと弘兼氏がブールースハープをプレイ! 会場のボルテージは最高潮に達したのであった。
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単なるパーティで終わらせず、来場者を楽しませようとする弘兼氏のサービス精神は、さすがというか何というか。だからこそ40年もの間、人気作家であり続けられたのだろう。その40年の足跡を一冊にまとめた特集本『文藝別冊・弘兼憲史』も刊行(河出書房新社より11月7日発売)。2万字ロングインタビューをはじめ、弘兼氏が小学生のときに描いたという貴重なマンガ、藤子不二雄A、あだち充、三田紀房、福本伸行、唐沢なをきらの寄稿、中川翔子との対談、武田鉄矢インタビューなど盛りだくさんの内容で、弘兼憲史という作家のすごさがあらためてわかる。
日本のマンガ界と経済界を股にかける弘兼憲史と島耕作の動向からは、今後も目が離せない! <取材・文/南信長>
会場入り口には、デビュー作から近作までの原画や単行本、交流のある漫画家など49名からのお祝い色紙が展示され、弘兼氏のキャリアと人徳を感じさせる。
『文藝別冊・弘兼憲史』(河出書房新社/1404円) デビュー40周年記念号 |
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