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Amazonの「お坊さん便」について多くの人が誤解していること。賛成派と反対派のお坊さんがいるのはなぜ?

 意外と知らない通夜やお葬式でのマナー、業界の裏事情を綴った今、注目のサイト「考える葬儀屋さんのブログ」。「ライブドアブログOF THE YEAR 2015」にも選ばれた同サイトの管理人・考える葬儀屋さんに聞いた、恥をかかない今のうちに知っておきたいお葬式の常識とは――。

「お坊さん便」について多くの人が誤解していること

 葬儀屋さんブロガーの「考える葬儀屋さん」と申します。
「お坊さん便 法事法要手配チケット」(※画像はアマゾンより)

「お坊さん便 法事法要手配チケット」(※画像はアマゾンより)

 昨今、ネット通販大手「アマゾン」がお坊さんの手配サービスを始め、話題になりました。さらにそれに対し、全国の寺院が加盟する公益財団法人「全日本仏教会」が抗議したことでより一層世間の注目を集める結果となっています。  今回の件はネット上で葬儀社を紹介していた「株式会社みんれび」が、数年前からお坊さんの紹介も始め、それを今回、アマゾンでも始めたということが発端です。  それが物珍しさから、マスコミでセンセーショナルに扱われることになりました。しかし、多くの方が誤解していますが、このアマゾンのサービスを使って、お通夜やお葬式にお坊さんを呼ぶことはできません。なぜなら、手続きに時間がかかるので、緊急性のあるお通夜やお葬式には間に合わず、お葬式が終わった後で行われる法事での読経にしか対応していないのです。  また、その法事のお布施(お坊さんに渡す御礼)の料金も3万5000円~と、特別安くはなく、むしろお布施の相場の安い地方在住者にとっては割高と感じるくらいです。そのため、このサービスを提供する会社もアマゾンで儲けるつもりはさらさらさなく、そこそこ話題になって、本体の受注がふえればいいなくらいの読みだったのではないでしょうか。

騒動を拡大させた日本仏教会の致命的ミス

 そのため、日本仏教会はこの話題をスルーして、風化するのを待てば良かったのです。しかし、あわてて抗議するという戦略ミスを犯しました。さらに、抗議を紹介会社ではなく、アマゾンに対して行うという間違いを犯しました。  そんな抗議にあのアマゾンが屈するはずないというのは、一般消費者なら感覚的に分かるはずですが、全日本仏教会には分からなかったのです。実は全日本仏教会は、イオンが5年前に葬儀社紹介業を始めた際、同社サイトにお布施の金額を掲載することを止めさせることに成功したという”実績”がありました。そのため、今回も同じようにやれると踏んだのでしょう。  ここで、そもそもアマゾンで紹介されるお坊さんも、アマゾンに反対する全日本仏教会も、同じお坊さんなのになぜやっていることがなぜ真逆なのか、と不思議に思う方もいるかもしれません。
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二極化するお坊さんの懐事情
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「お坊さん便」 法事法要手配チケット (移動なし)

ご自宅・お墓などに出向き法事法要(読経・法話)を行う僧侶を手配するサービスです。

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