雑学

Amazonの「お坊さん便」について多くの人が誤解していること。賛成派と反対派のお坊さんがいるのはなぜ?



二極化するお坊さんの懐事情


 この背景には貧しいお坊さんと富めるお坊さんの二種類のお坊さんがいることが挙げられます。

アマゾンのお坊さん手配サービス アマゾンのお坊さん手配サービスに登録するのは貧しいお坊さん。その一方で、手配サービスに反対する全日本仏教会は富めるお坊さんです。全国的な傾向として、お坊さんは飽和状態にあります。日本全国にコンビニエンスストアは5万3千店ほどなのに、文化庁の統計上登録されている寺院は7万軒以上あります。特に過疎化が進む地方を中心に檀家が減少し、寺を維持できないお坊さんが増えているのです。そのため、少しでも収入を得よう思ったお坊さんは、ネットからの紹介を受けざるを得ないのです。

 全日本仏教会はお経や戒名は商品ではないから値段をつけてはいけないと主張します。しかし、お布施などと同じく戒名にも相場がある以上、この言い分に素直に納得できる消費者は少数でしょう。

 ただ、今回の騒動を経験しても、日本仏教会がこれまでの姿勢を崩すことはないと思われます。なぜなら、富めるお坊さんは今後も長期にわたり安定的な収入を見込めるからです。たとえば、お布施が高額で払えないからと遺族がお墓のあるお寺との関係を断ち切ろうと考えたとします。

 それを実行に移すとなると、菩提寺と檀家の関係を解消し、現在の墓を更地にしてお寺に返して、先祖のお骨を収める別の墓を新たに探さなければいけません。そのお墓が先祖代々続いているなら、かなりの時間と手間とお金がかかるため、よほど思い切った決心が必要でしょう。

 ある意味、檀家は遺骨を人質に取られている状態のため、富めるお寺は強気の態度を崩す必要がなく、これまでの秩序を維持できるのです。

 このように、お坊さんの世界でも貧富の格差は年々広がっているのです。今日、お坊さんに対する社会の需給バランスが崩れてしまっている以上、私の予想ではこの20年で貧しいお坊さんの3分の1は失業せざるを得ないと考えています。

 現代においては、お坊さんも資本主義の労働者としての使命からは逃れることはできないのです。

【考える葬儀屋さん】
葬儀社に15年以上勤務し、業界内部を知り尽くしたその道のプロ。業務内容はお葬式の担当と葬儀・葬儀業界の分析。Twitterアカウントは@kangaerusougiya。「ライブドアブログOF THE YEAR 2015」にも選ばれ、月間45万PVを突破した「考える葬儀屋さんのブログ」も日々更新中。

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