葬儀屋さんは見た!お葬式のときの「揉めごと」「相続トラブル」
―[考える葬儀屋さん/赤城啓昭]―
現役の葬儀屋社員で、ブログ「考える葬儀屋さん」管理人の赤城啓昭です。連載第17回目の今回は、週刊誌の見出しで見かける「遺産を巡る遺族の骨肉の争い」だとか、ドラマや映画などで見かけるお葬式の最中に取っ組み合って、ののしり合うシーンみたいなことが、本当に葬儀の現場で起こるのかというお話です。
さて、本題に入る前に、相続とお葬式の話を少しおさらいしておきましょう。
多少なりとも税金に詳しい人なら、「相続税が全ての人にかかるものではない」ということをご存知だと思います。相続税控除というものがあって、基礎控除3000万円+600万円×法定相続人数を越えていなければ遺産に対して相続税は発生しません。
そして、あまり知られていませんが、亡くなった方の葬儀にかかった費用は、相続税控除額に加算されます。
例えば法定相続人が5人で、葬儀費用が200万円とすると、基礎控除3000万円+600万円×5=6000万円に加えて、200万円が加算され、6200万円を超えなければ相続税は払わなくていいわけです。 葬儀屋さんである私の立場としては、「だからお葬式を盛大にやりましょう」と言いたいところですが、おそらく同意される方は少ないかと。
そこで、頭のいい人が考えた節税対策が「生前に購入した墓、仏壇、仏具は相続税控除の対象になる」という税法を応用する方法です。 具体的にはお仏壇のお鈴(あのチーンと鳴らすやつです)を金で作って高額にしてしまうのです。金ののべ棒を持っていると相続財産と見なされますが、お鈴の形に加工するだけで相続税の対象から外されるわけですね。
デパートの仏具売り場に行ってみればわかりますが、金でできた手のひらサイズのお鈴が数百万円で売られています。ちなみにこれらは純金ではなく18金で作られていることが多いようです。
なぜだか分かりますか?
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