内部被曝検査のウソ【爪ミネラル編】
放射能内部被曝に怯える人々を騙す悪徳業者が乱立している。2/14発売の週刊SPA!「内部被曝悪徳検査ビジネスの手口をバラす!」では、毛髪検査他、さまざまな悪徳業者を取材した。その中から日刊SPA!では爪ミネラル検査の手口を暴きたい。
美容クリニックなどで受けられる爪ミネラル検査だが、こちらも微量の爪での内部被曝検査はできない。熊本学園大学・中地重晴教授が説明する。
「確かにミネラル検査の測定機器であるICP発光分析器を使えば、0.25g(両手の爪10本の各1mm分)程度でも数十種類の有害物質は測定できます。ただ、放射性同位元素としての測定はできませんし、内部被曝を判断することなどできませんよ」
そのため、多くの美容クリニックは「放射性物質は判断できません」と通知。慎重な姿勢をとっているが、なかには「内部被曝を予測できます!」と謳うクリニックや業者が存在する。その内情を美容クリニックのコンサルタント・A氏が教えてくれた。
「爪ミネラル検査は、もともとセレブ主婦、美容オタクのOLなどの間で人気があった。それが2011年夏頃に『関東在住者の爪からウラン、セシウム、ストロンチウムが検出された!』とネット上で話題になりました。そして、検査希望者が急増したんです。これをビジネスチャンスと捉えた数件の美容クリニックが『内部被曝』をキーワードに、患者を集めているというわけです」
しかも、爪ミネラル検査はあくまで“販促ツール”でしかないという。
「爪ミネラル検査は一回1万5000円程度。人件費、海外の分析機関への送料などを考えれば検査自体での儲けはほとんどない。実は検査後『内部被曝の予防』を理由に、1万円のマルチミネラルやビタミンなど高額なサプリや、栄養士による食事指導を推奨して収益を得ているんです。主に検査を受けるのは放射能アレルギー主婦の中でも、裕福な層。だから、高額であろうと、あまり文句は出ませんね」
セシウム、ストロンチウムと名が付くと、内部被曝に直結すると思い込んでしまう放射能アレルギー主婦たち。その層が存在するかぎり、荒稼ぎする爪ミネラル検査業者が消えることはない。 <取材・文・撮影/週刊SPA!編集部>
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