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SIMフリーで損するかも!? 意外と知らない注意点

「俺のスマホがSIMフリーに!」と無条件にハシャぎたくなる昨今だが、何事にも落とし穴はある。今のうちに知っておきたい重要事項をまとめてみた ◆SIMロック解除サービスついに解禁!……だが、浮かれるにはまだ早い!?  かねて報じられていたとおり、「SIMロック解除の義務化」がついにスタートした。今月以降、ドコモ、au、ソフトバンクの各キャリアから発売されるスマホは、すべて「SIMフリー」にすることが可能になる。
SIMフリー

ドコモとauの場合、SIMロックの解除には端末購入から180日の経過が必要。店頭および電話での解除には3000円の手数料がかかる

 これを受けて、世の中はプチお祭りムードだが、スマホのSIMフリー化については十分な知識が広まっていないのも事実だ。本欄でおなじみ、モバイル評論家の法林岳之氏に「意外と知られていない注意点」を、利用スタイル別に解説してもらった。 ◆「キャリア端末+格安SIM」の場合  手持ちのスマホをSIMフリー化したいと思っている人の多くは、「格安SIM(MVNOが提供する割安な回線)の利用」を念頭に置いていることだろう。とりわけ、これまでSIMロック解除サービスがなかったauとソフトバンクのユーザーにとって、SIMフリー義務化の動きは「朗報」に思えたはずだ。だがここに、(主にauユーザーに対して)超基本的にして最大の注意点がある。 「それは『ドコモ/ソフトバンクとauでは通信方式が違う』ということ。格安SIMの大半はドコモの回線を借りていますが、auのCDMA端末にこれらのSIMを挿してもLTEしか掴みません。つまりデータ通信のみで、音声通話が使えない」(法林氏。以下同)  au端末で格安SIMを使うなら、「auの回線を借りている業者」を選ぶのがセオリー。現状は「マイネオ」(ケイ・オプティコム)と「UQ mobile」(KDDIバリューイネイブラー)のみとなる。なお、これらのSIMをドコモやソフトバンク端末に挿しても、当然ながら音声通話は使えない。 「データ通信のみのタブレットなどに挿すのであればそこまで警戒することはありませんが、メイン端末に格安SIMを挿したいなら、十分な注意が必要です」  ちなみに「ドコモ系の格安SIMをドコモ/ソフトバンク端末に挿す」場合や、「au系の格安SIMをau端末に挿す」場合、実はわざわざSIMロックを解除しなくても使えてしまうらしい……。 「じゃあ、今なんで『ようやくSIMロックが外れる!』とか言って騒いでんの?という話ですが、実にもっともな疑問で、業界関係者の間では『SIMロック解除って無意味だよね』というのがコンセンサスでした(苦笑)。とはいえ、ロックが解除されていない端末で格安SIMを使う場合、テザリングなどの一部機能に制限がかかる可能性はあります」  SIMロック解除の手数料は3000円(電話及び店頭受付の場合。ネット受付の場合は無料)。解除する前にひとまず格安SIMを挿してみて、そのまま使えるか様子を見るのも手だろう。 ◆いわゆる「格安スマホ」の場合  格安SIMを使いたいなら、「格安SIMとスマホのセット」という選択肢もある。「うれスマ」(BIGLOBE)、「gooのスマホ」(NTTレゾナント)など、数多くのサービスがあり、手持ちのキャリア端末に適当な格安SIMを挿す場合と違って動作は保証されているので、気軽に安く使いたいユーザーには魅力的な選択肢だ。 「ただし、大手キャリアのような万全の補償があるわけではない。『楽天モバイル』の場合、5万円を限度に修理費用を出してくれる『端末お見舞金サービス』(月額350円)がありますが、落下や水濡れによる全損などの場合は1万円が上限。ほかの業者も似たりよったりで、なかには補償サービス自体がない業者も。修理中に代替え機を貸してくれるわけでもないので、その期間をどうしのぐか自力で対策を練る必要があります」 ◆海外で現地のSIMを使う場合  SIMフリースマホのメリットとして、格安SIMと並んでよく挙がるのが「海外での利用」。ひところは、海外でデータ通信を利用して「パケ死」したという悲報がよく聞かれた。今では「海外パケット定額サービス」があるが、それでも「一日2980円」は安くない。そこで、スマホをSIMフリー化して現地の格安SIMを使いたいという人が増えてきたのだ。 「確かに、日本語表示ができる普段の端末をそのまま海外でも使いたい気持ちはわかります。ですが忘れちゃいけないのは、日本で使っているSIMを現地のSIMに挿し替えると、いつもの番号にかかってきた電話が受けられなくなってしまうということなんですよ」  それを考えると、海外のSIMを利用するには、メイン端末以外に“それ専用”のSIMフリー端末を別途用意するのが現実的。機種変更して使わなくなったスマホは、すぐには売り払わずキープしておいたほうがよいかもしれない。 「なお、ドコモ端末の場合はSIMロックを解除する際に『端末を購入した本人』であることを証明する必要があります。中古で安い白ロムを手に入れて使おうと考えている人は、解除済み端末であるかどうか、必ず確認を」 取材・文/SPA!編集部
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