ひょうたんから“ロイヤルランブル”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第74回
バンクハウス=作業場での決闘という舞台設定をいかにも“南部人”の発想ととらえたニューヨーカーのビンスは、バトルロイヤルというゲーム性の高い試合形式にさらに時間差式エントリーという新しいコンセプトを導入した。
NWAの“バンクハウス・スタンピード”ナッソー・コロシアム大会の観客数は予想を大きく下回る6000人(興行収益8万ドル=推定)。20選手出場の時間差式変則バトルロイヤルをメインイベントにラインナップした“ロイヤルランブル”ハミルトン大会は1万6200人の大観衆を動員。同大会を全米生中継したプライムタイム特番は8.2パーセントの高視聴率をはじき出し、NWAはPPV契約世帯数でも惨敗を喫した。
時間差式変則バトル“ロイヤルランブル”はハクソー・ジム・ドゥガンが優勝。この日、試合に出場しなかったハルク・ホーガンとアンドレ・ザ・ジャイアントは、1カ月後のNBC特番で予定されるタイトルマッチの調印式をリング上でおこなった。“レッスルマニア4”が動きはじめていた――。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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