ひょうたんから“ロイヤルランブル”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第74回
WWEの“サバイバー・シリーズ”はNWAクロケット・プロの年間最大PPV“スターケード”に対抗してプロデュースされたPPV新企画だったが、時間差式変則バトルロイヤル“ロイヤルランブル”もまたNWAとの企業戦争のなかで考案された、ひょうたんから駒のようなコンセプトだった。
“ロイヤルランブル”第1回大会が開催されたのは、いまから28年まえの1988年1月24日(カナダ・オンタリオ州ハミルトン、コップス・コロシアム)。この大会はPPVではなく、ケーブルTV(USAネットワーク)のプライムタイム特番としてオンエアされた。
前年11月、WWEは“サバイバー・シリーズ”第1回大会(1987年11月26日=オハイオ州リッチフィールド、リッチフィールド・コロシアム)をNWAのPPV“スターケード/シャイタウン・ヒート”(同日=イリノイ州シカゴ、UICパビリオン)にぶつけた。WWEとNWAの2大メジャー団体の闘いは、ライブの観客動員数=興行収益ではなく、PPVの有料契約世帯数を争う“電波戦”へそのステージを移した。
ノースカロライナ州シャーロットからテキサス州ダラスに本社を移したNWAクロケット・プロは、マーケット拡大プランの一環としてニューヨーク進出を計画。マディソン・スクウェア・ガーデンと接触をもくろんだが、ガーデン・サイドがWWEと独占リース契約を結んでいたためこれを断念。ニューヨーク州ユニオンデールのナッソー・コロシアムにおいてPPV“バンクハウス・スタンピード”を開催した(1988年1月24日)。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ