ビンスの予想を超えた“マッチョマン人気”――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第81回
1984年1月、アイアン・シークを下しWWE世界王者となったホーガンは4年1カ月にわたる長期政権を築いたが、アンドレ・ザ・ジャイアントとのタイトルマッチのおける不可解な判定で王座から転落(1988年2月5日=インディアナ州インディアナポリス)。
コミッショナー裁定で“空位”となった同王座の新チャンピオン決定トーナメントが“レッスルマニア4”(同3月27日=ニュージャージー州アトランティックシティー)で開催され、トーナメント決勝戦でデビアスを下したサベージが新チャンピオンとなった。
サベージはもともとヒール系のキャラクターだったが、DIVAというコンセプトがまだ存在しなかった時代の元祖DIVA、エリザベスとのカップリングが古典的な“美女と野獣”の物語としてファンの支持を集めた。ふたりはこの時点ですでに結婚していたが、その事実は連続ドラマのストーリーラインからは削除されていた。
サベージ対デビアスのタイトルマッチをメインイベントにラインナップしたハウスショー・プログラムは、全米各地で予想をはるかに上回る興行成績を記録した。サベージの観客動員力は、ビンスにとってはうれしい誤算だった。
観客はどうやら新しい主人公の出現を望み、サベージのなかのどこか未完成なイメージにホーガンの“勧善懲悪プロレス”に代わるサムシングを求めた。
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