デジタル

ニコ動新バージョン(ZERO) 創作支援プログラム&アフィに期待

ニコ動新サービス発表会(仮)

「原点回帰」を掲げる

2011年12月12日、5周年を迎えた動画共有サイト『ニコニコ動画』が、新バージョン『ニコニコ動画(ZERO)』と同月13日から始まったリニューアルの一部を発表した。 ニコニコ動画のバージョンは、2006年に(仮)として始まり、現在は(原宿)、(ZERO)は11番目。2012年4月27、28日に開催される巨大フェス『ニコニコ超会議』でその全容は発表され、翌日の29日に(ZERO)として正式リリースとなる。新サービスは4月29日に向けて段階的に公開される予定。 リニューアルコンセプトは「原点回帰」ということもあり、初期からのユーザーにとっては懐かしい内容も含まれていた。一方で、今後のニコ動の生態系を占うであろう気になる要素も。筆者が気になった発表2点を紹介する。 ◆「ニコニ・コモンズ」拡大リニューアル ユーザーの創作支援に運営は本気 「権利の記録(ツリー)から、歴史の記録(ツリー)へ」というコンセプトのもと、ニコニコ動画で利用可能な素材ライブラリーである『ニコニ・コモンズ』がリニューアルされる。現在は、「素材」の「利用許諾の継承関係」を示すのみだが、今後は「ニコニコ動画」と「ニコニコ静画」にアップロードされたコンテンツも対象とし、「コンテンツ」の「インスパイアやリスペクトの歴史」=コンテンツツリーを示すものとなる。 ニコ動における二次創作文化は日常的な風景だ。現在も、アップされた創作楽曲をもとに映像やイラストを作成したり、「歌ってみた」などで音源を利用する場合には、作品の説明文に「○○からお借りしました」などの表示が見られる。今後はシステム的に作品の参照関係(親子関係)を明示できることになり、投稿者は自分の作品が誰のどんな作品に利用されたかがわかるように。視聴者にとっても、ネタ元や類似作品の検索がより便利となり、地味だった「ニコニ・コモンズ」の存在感が増すことになりそうだ。 さらに、コンテンツツリーにもとづいた、クリエイター支援も行われる。この制度が、今後のニコ動の生態系やコンテンツの楽しみ方にとって大きな影響を持ちそうだ。と、個人的にも期待したい内容となっていた。詳しい仕様は以下のとおり。 ※クリエイター奨励プログラム 「創作活動の支援、二次創作文化の推進」を目的に、投稿者に対して作品の人気度に応じて奨励金(現金またはニコニコポイント)が支払われる制度。奨励金の原資はプレミアム会員売上の一部となっており、夏野剛取締役は「まだ確定ではないが4億円ほどは用意できるはず」と、同プログラムに対する本気度を見せた。 ポイント変換は、1点=1pt(10点から)、現金変換は1点=1円(10,000点から)。点数の具体的な計算式は明かされていないが、人気度、派生作品、作品点数などによって算出される。さらに、「子ども手当」という制度もあり、子作品の人気度に応じて親となった作品の投稿者にも奨励金が支給される。二次創作をより促進させた作品が奨励されるということだ。 「ニコニ・コモンズ」という目立たぬサービスが一新され、ニコ動のサービス全体にかかわる、創作活動の支援プログラムにつながった。『ニコニコチャンネル』や『ニコニコ映画』など、コンテンツの充実に力が入っている近年のニコ動だが、「(ZERO)」では“原点回帰”して、ユーザーによる投稿作品の質と量の向上にも力を入れるようだ。新規追加される「ニコニコインディーズ」という一次創作作品を意識したカテゴリーからも、その姿勢がうかがえる。 ◆ ニコニコ市場 期間限定でユーザーにもアフィリエイト還元! ニコニコ動画に投稿された作品や、ニコニコ生放送などでユーザーが関連する商品(AmazonやYahooショッピングなど)を自由に貼り付けることができるサービス「ニコニコ市場」。興味のあるコンテンツと関連する商品だけあり、そこで衝動買いをしてしまう人も多い。5周年を記念して、Amazon取り扱い商品を購入した場合、作品の投稿者と購入者に購入金額40円ごとにニコニコポイント1ptが支給されるキャンペーンが実施される。これは、市場に貼られたAmazonの商品が購入された場合、ニコニコ動画にアフィリエイト報酬が支払われており、その一部をユーザーに還元するという試みである。(12月12日〜2012年1月31日) こちらは(ZERO)の新サービスとしてではなく、5周年を記念してのキャンペーンとして発表された。キャンペーン期間後の継続については詳しく語られなかったが、『クリエイター奨励プログラム』と共に、投稿者や配信者にとっての市場からのアフィリエイト収入も大きな魅力の一つだろう。期間中の反響や売上変化をみて、(ZERO)の一部として組み込まれることに期待したい。 * * * 今後も超会議に向けて、2012年1月15日「ニコニコ成人の日」に『新サービス発表会(β)』、3月6日「ニコニコ復活祭」で『新サービス発表会(γ)』でも追加発表が予定されている。超会議に向けて徐々に明らかにされる「(ZERO)」の全容。どんな新サービスが始まり、ユーザーにとって嬉しい「原点回帰」となるのか。今後もその様子を追っていきたい。 ◆参考 その他に発表された内容 ・笛のお兄さんFooさん復活! 削除動画が新作となって帰ってきた 権利者の申し立てにより削除された動画の代わりに流れる、あの動画が復活する。「Fooさん」と呼ばれ親しまれてきた、独特のタッチのリコーダー演奏が新作となって返ってきたのだ。格段に上達したリコーダー演奏に驚いていると、後半「笛と太鼓をお楽しみください」というメッセージと共に、リズムが微妙に外れた太鼓の演奏が。「誰得w」というコメントが流れるも、ユーザーからは好評のようだ。運営いわく「144倍ぐらい出会いやすくなりました」。これはぜひ観たい! ・新カテゴリー追加 「ニコニコインディーズ」「車載動画」「旅行」「ニコニコ手芸部」「作ってみた」 ・「歴史」カテゴリー廃止 ⇒ 12/13 廃止見送りを発表 ・「殿堂入り」、「やってみた」カテゴリーの解体 ・カテゴリーの再編成 ・ランキング表示 全動画統一の合算ランキングが復活。さらにリアルタイム性が向上し、24時間以内のポイント集計、1時間ごとの更新に。 ・カテゴリーTOPページ カテゴリー別に人気のタグを表示、新しくコメントされた動画をリアルタイムに反映、お気に入りタグ検索をショートカット保存可能に ・オススメ動画 視聴履歴のタグにもとづいてユーザーの趣向にあった動画をリコメンドしてくれるように ・ニコニコ生放送 16:9プレイヤー(β)が12月13日朝8時より先行公開(プレミアム会員限定、タイムシフトなど一部機能に制限あり)、検索の改善(12月22日より全会員を対象に) 取材・文・撮影/林健太
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