WCW世界王者フレアーがWWE電撃移籍――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第112回
この計画を察知したフレアーは6月第4週の時点で“有給休暇”を申請し、7・14“バッシュ”への出場を回避した。ハード副社長は妥協案として7月1日にジョージア州メイコンでおこなわれるTVテーピングへの出場をフレアーに命令したが、フレアーはこれを拒否してバケーションに出た。
プロレスというジャンルを学習しようとしなかったハード副社長は、世界チャンピオンの退団がどういう意味を持つことなのかをあまりよく理解していなかった。
WCWによる解雇通告から数日後、この時点ではまだ運営委員会が存続していたNWA(ナショナル・レスリング・アライアンス)が「リック・フレアーは現在でもNWA世界ヘビー級王者である」という声明文を発表した。WCWとNWAはじつはまったく異なるふたつの組織だった。
それから約1カ月後、8月10日放映分の“WWEプライムタイム・レスリング”の番組内で悪党マネジャーのボビー・ヒーナンがカメラに向かって「ホンモノの世界チャンピオンがついにこのリングに上がる!」とまくし立てた。ヒーナンは“フレアー・モデル”の黄金のチャンピオンベルトを大切そうに抱きかかえていた。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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