更新日:2017年11月30日 15:33
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ビンスが“賞味期限切れ”ウォリアーを解雇――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第114回

 ビンスはその場での即答を避け、後日、改めて双方の弁護士同席のミーティングをセッティングすること、契約内容の見直しには応じることを口頭で約束し事態の収拾を図った。じつは、ビンスにとってウォリアーはすでに“ヒット商品”の在庫になりかけていた。  ウォリアーはこの妥協案に従い試合に出場したが、それから2日後、WWEは契約不履行を理由にウォリアーを解雇した。こういうネゴシエーションではビンスのほうが一枚も二枚も上手だった。ウォリアーとWWEはその後、法廷闘争をくり返すことになる。  ホーガン&ウォリアー対スローター&ムスタファ&アドナンのハンディキャップ・タッグマッチの“隠れた主役”は、この試合の特別レフェリーをつとめた新顔のセッド・ジャスティス(本名セッド・ユーディ)だった。  この年の5月までセッド・ビシャスのリングネームでWCWに在籍していたジャスティスは、WCWとの契約切れと同時に年俸45万ドル・プラス出来高でWWEと3年契約を交わした。7月にはNWA/WCW世界ヘビー級王者リック・フレアーがWWEと電撃契約を交わしたが、長編ドラマの“次回作”となるフレアーのデビューは9月以降に先送りされた。  ビンスは翌1992年の“レッスルマニア8”のメインイベントのポジションをセッドに約束した。ビンスの頭のなかではホーガンの引退試合、セッドへの主役交代のシナリオができあがりつつあった。身長6フィート8インチ(約2メートル3センチ)、体重295ポンド(約133キロ)のセッドは、ホーガンよりもずっと若くて、ホーガンよりも美しい肉体を持った“金の卵”だった。
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