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“サマースラム”で怪事件の雪崩現象――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第115回

 メインイベント終了後、大観衆の声援を浴びながらリング上で“筋肉ポージング”をおこなっていたのは、ホーガンとこの試合の特別レフェリーをつとめた“新顔”セッド・ジャスティスのふたりだった。

 ビンスは、ポスト・ホーガン世代の“本命”にニューカマーのセッドを指名し、年俸200万ドル(推定)のウォリアーをすでに“賞味期限切れ”と結論づけていた。

 ホーガンとセッドの合体シーンのあと、リング上には教会のチャペルのセットが設営され、サベージとエリザベスのウエディング・セレモニーがおこなわれた。じつはふたりはすでに7年まえに結婚していたが、WWEの長編ドラマのなかではその事実は公表されていなかった。

 牧師によるスピーチと結婚の誓い、指輪の交換がおこなわれ、リング上では友人、知人からのプレゼントの贈呈がはじまった。エリザベスが大きな箱を開けると、なかから巨大なコブラが飛び出してきた。ジェーク“ザ・スネーク”ロバーツからのギフトだった。

 サベージがロバーツにつめ寄ると、こんどは背後から乱入してきたアンダーテイカーが“骨つぼ”でサベージをKOした。新たなる因縁ドラマのプロローグだった。

 サベージ対ロバーツのシングルマッチ連戦シリーズは、ポスト“サマースラム”からスタートする新シーズンのヒット商品となるはずだったが、サベージは“一身上の理由”で9月以降の日程を突然、キャンセルした。

 それはビンスに対する“個人ストライキ”だった。1985年の契約以来、6年間にわたり年間300試合以上の殺人的スケジュールを消化してきたサベージは、コンディション維持と“家族づくり”を理由に試合数の軽減とTVショーのカラー・コメンテーター転向を希望していた。

 サベージ自身はリング上の結婚式をセミリタイアの“予告編”ととらえていたが、ビンスにとってサベージとエリザベスの結婚式は連続ドラマのワンシーンでしかなかった。この微妙な認識のちがいがサベージとビンスの人間関係に亀裂を生じさせ、やがてサベージのWWE退団―WCW移籍へとつながっていった。

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いくつもの怪事件が起きた“サマースラム”は…

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