“サマースラム”で怪事件の雪崩現象――フミ斎藤のプロレス講座別冊 WWEヒストリー第115回
いくつもの怪事件が起きた“サマースラム”は、ホーガンでもサベージでもない、あるいはウォリアーでもセッドでもない、次世代スーパースターの誕生を示唆していた。
“ヒットマン”ブレット・ハートが“ミスター・パーフェクト”カート・ヘニングを下し、インターコンチネンタル王座を獲得した。義兄ジム・ナイドハートとのタッグチーム、ハート・ファウンデーションを解散し、シングルプレーヤーに転向したばかりのヒットマンは、この日、ほとんど“無印”のシチュエーションでWWE史に残る名勝負を演じた。
キャリア13年、34歳のヒットマンにとってIC王座はWWEのリングで初めて手にしたシングルのチャンピオンベルトだった。ビンスはヒットマンの潜在能力を高く評価していたが、1990年代のWWEの主役候補となるとはまだ考えていなかった――。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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