ホーガンの“引退ドラマ”にウォリアー出現――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第125回
ホーガンの“引退ドラマ”とのカップリングで、ビンスはウォリアーの戦列復帰というもうひとつのビッグ・サプライズを用意していた。ウォリアーは前年9月、契約内容をめぐるトラブルからWWEを解雇され、その後はWWEとビンスを相手どり泥沼の法廷闘争を演じてきた。“問題児”ウォリアーの突然の出現は、現場のスタッフにとってもまさに寝耳に水のできごとだった。
“レッスルマニア8”は、ホーガンとウォリアーのダブル・ポージングでそのクライマックスを迎えた。ふたりが仲よくポージングをくり返すシーンは主役交代のようにもみえたし、スーパーイベントのボーナス・トラックのようでもあった。ホーガンはついに最後の最後まで“引退”という単語をいちども口にすることなくリングをあとにした。
ビンスにとってウォリアーの起用はあくまでもワンポイント・リリーフだった。マスメディアによる一連の“ステロイド報道”のさなかでのウォリアーとの再契約は、WWEにとってはリスクの大きいギャンブルであったことはいうまでもない。
この日、ホーガンの“引退ドラマ”とは別ワクでもうひとりのスーパースターがファンに別れを告げた。それは“名優”ロディ・パイパーとブレット・ハートの“短編映画”だった。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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