ビンス無罪“ステロイド裁判”エピソード16=ホーガンの自由意思――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第169回
――ビンスから「ステロイドを使え」と命令されたことは?
「いちどもありません。(ステロイド投与は)わたしの意思です。わたしがほかの選手たちに(ステロイドを)売ったこともありません」
――あなた以外のレスラーたちも、ビンスからの命令あるいはアドバイスではなく、自分たちの自由意思でステロイドを使用したと思いますか?
「わたしの知る限り、そうです」
――ビンスあるいはタイタン・スポーツ社があなたにザホリアン医師を紹介し、その結果、あなたはザホリアン医師の顧客になったのですか。
「ちがいます」
――タイタン・スポーツ社のエグゼクティブやスタッフが選手たちにステロイドを販売・流通したことは?
「わたしはそういう場面を目撃したことはいちどもありません」
――1985年から1991年まで、あなたはザホリアン医師以外の医師からもステロイドを買うことができた。
「はい。ニューヨークやカナダに住む知り合いの医師から(ステロイドを)買うこともありました。処方せんを所持していれば(ドラッグストアで)ステロイドを購入することができるため、その使用自体に違法性があるという認識はありませんでした。じっさい、ステロイドを使用するとケガの回復が早まります」
――ザホリアン医師がタイタン・スポーツ本社に送ってきたステロイドを、ビンスがフェデラル・エキスプレス社の宅配便であなたに転送したことは?
「ありません。わたしがオフィスでピックアップしたステロイドはわたし自身が電話で(ビンスの秘書の)エミリー・ファインバーグに頼んだものです。ビンスがエミリーに発注させたものをわたしが受け取ったり、わたしがビンスから直接(ステロイドを)渡されたことはありません」
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