更新日:2017年11月30日 15:00
スポーツ

混乱と迷走の“イン・ユア・ハウス5”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第201回(1995年)

 ブレット対ブルドッグのタイトルマッチは、3年まえの“サマースラム92”ウェンブリー・スタジアム大会のリメイク版。今回はブルドッグがヒールで、ブレットの妹でブルドッグの妻であるダイアナ・ハートが夫のセコンドにつき、兄ブレットの敵にまわるというややこしいサイドストーリーが用意されたが、観客の反応はなぜかいまひとつだった。  試合は21分9秒、後方回転エビ固めとそのリバース式エビ固めの攻防から、ブレットが新技ラ・マヒストラルでブルドッグから3カウントを奪い王座防衛に成功。試合終了後、ブルドッグ&ダイアナはおたがいを支え合うようにしてリングを降り、ベビーフェース再転向のメッセージを観客に向かってディスプレーした。  セミファイナルのアンダーテイカー対メイベルの“棺おけマッチ”は6分11秒、アンダーテイカーが順当に超巨漢のメイベルを“埋葬”。  第4試合のディーゼル(ケビン・ナッシュ)対オーエン・ハートのシングルマッチは、わずか4分34秒のファイトタイムでディーゼルがレフェリーへの暴行で反則負け。ベビーフェースでもヒールでもないオトナ向けの独自路線を歩むディーゼルのキャラクター設定がどことなく“勇み足”的な印象を与えた。  この日、ハーシーパーク・アリーナは約7200人の観衆を動員したが、1階アリーナ席の観客の多くはテレビの画面に映ることを意識したさまざまな手書きのサインボード、プラカード類を持参していた。これもまた“月曜TVウォーズ”の副産物のひとつだった。翌日、WCWの“ナイトロ”生中継でまたしても事件が起きた。(つづく)
斎藤文彦

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