更新日:2017年11月30日 14:55
スポーツ

時代はオルタナティブを求めていた――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第213回(1996年編)

 長編ドラマは3.31“レッスルマニア12”アナハイム大会に向かってものすごいスピードで動いていた。新たにWWEコミッショナーの役職に就任したばかりのロディ・パイパーは、2.19“マンデーナイト・ロウ”のリング上で“レッスルマニア12”のメインイベントとして正式決定したブレット対ショーンのWWE世界ヘビー級選手権の特別ルールを発表した。  タイトルマッチの特別ルールは(1)60分間のアイアンマン・マッチ(2)試合時間内により多くのピンフォール、ギブアップ、カウントアウトをスコアした選手の勝ち(3)引き分けはなし、というものだった。  WWE、というよりもアメリカのレスリング・シーンの新しい主役を決定する頂上対決は60分フルタイムの“耐久マッチ”として争われることになった。  この時点ではブレットもショーンもポジション的にはベビーフェースで、WWE世界王座へのトップ・コンテンダーとされるアンダーテイカーもディーゼル(ケビン・ナッシュ)も基本的にはベビーフェース。4人のベビーフェースがおたがいを敵視するというシチュエーションは、レイアウト的にはややアンバランスな印象を与えた。  トップグループのひとり、レーザー・ラモン(スコット・ホール)は5月の契約切れを待たずにWWEからの退団を表明した。WCWの“引き抜き計画”がいよいよ現実になってきた。(つづく)
斎藤文彦

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