更新日:2022年08月07日 19:19
スポーツ

運命の“レッスルマニア12”inアナハイム――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第222回(1996年編)

 ハックスター対ナチョーマンのシングルマッチは、いうまでもなくこの時点でのWCWのトップスターだったハルク・ホーガンと“マッチョマン”ランディ・サベージのふたりをパロディにしたコメディで、特別レフェリーは“テレビ王”テッド・ターナーWCWオーナーをモチーフにした架空のキャラクター、ビリオネアー・テッドがつとめた。  試合結果はハックスター、ナチョーマンともに“賞味期限切れ”のためノーコンテスト。レフェリーの“億万長者”テッドも心臓マヒで倒れて動けなくなるというあまり笑えないオチが用意されていたが、観客の反応はやはりイマイチだった。WWEが“レッスルマニア”の大舞台でWCWの存在を強く意識したスキットをプロデュースしたのはこれが初めてだった。  今大会の大きなポイントは、90年代の終わりからミレニアムにかけてのWWEブームのキーパーソンとなるふたりのスーパースター、“ストーンコールド”スティーブ・オースチンとハンター・ハースト・ヘルムスリー(トリプルH)がスーパーイベント“レッスルマニア”に初出場し、それぞれ前座のポジションで試合をおこなった点だろう。  ストーンコールド対サヴィオ・ヴェガのシングルマッチは、ストーンコールドのマネジャーの“ミリオンダラーマン”テッド・デビアスがレフェリーのブラインドをついてストーンコールドにミリオンダラー・ベルトを渡し、ストーンコールドがそれを凶器にヴェガの頭部を殴打。さらにミリオンダラー・ドリーム(変形スリーパーホールド)でヴェガを失神させた。ほとんどの観客はまだストーンコールドのストーンコールドらしさに気づいていなかった。
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アルティメット・ウォリアー対トリプルHのシングルマッチは…
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