“レッスルマニア12”去る選択VS残る決断――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第223回(1996年編)
アンダーテイカーとディーゼルのシングルマッチは、ディーゼルの十八番ジャックナイフ(投げっぱなしパワーボム)を食らったアンダーテイカーがなにごともなかったかのように“ムクッ”と起き上がり、トップロープからのフライング・クローズライン、チョークスラムからツームストーン・パイルドライバーへの必勝フルコースで16分46秒、ディーゼルを完全フォールした。
ディーゼルは試合中のこまかい動きのなかで何度か観客と無言の会話を交わそうと試みたが、アンダーテイカーはいかにも“怪奇派”らしくディーゼルのそういったアプローチをあえて無視した。“残る者”と“去る者”の立場のちがいは明らかだった。
アンダーテイカーは“レッスルマニア7”のジミー・スヌーカ戦(1991年)、“レッスルマニア8”のジェーク・ロバーツ戦(1992年)、“レッスルマニア9”のジャイアント・ゴンザレス戦(1993年)――1994年の“レッスルマニア10”は負傷欠場中のため不参加――、“レッスルマニア11”でのキングコング・バンディ戦(1995年)につづき“レッスルマニア”におけるシングルマッチで5連勝。やがて前人未踏の“21連勝”までつづく大記録のベースとなる部分を築いた。
メインイベントは“ヒットマン”ブレット・ハート対“HBK”ショーン・マイケルズのWWE世界選手権“60分アイアンマン・マッチ”。ブレットは、ナッシュやホールとはまた異なる次元で“去る者”としてリングに上がろうとしていた――。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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