3000円のハンバーガー――連続投資小説「おかねのかみさま」
みなさまこんにゃちは大川です。
『おかねのかみさま』60回めです。
砂漠を中心に2000kmほど走ってカジノを回ってきました。
いつもどおり六本木SLOW PLAYで書いてます。
※⇒前回「相棒」
〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
美熟女(熟) 美琴が働く銀座の高級クラブ「サーティンスフロア」のママ
〈第60回 ハンバーガー〉
午後 久里浜 美琴宅
美「百歩譲って北さんだとして、しにがみさんとはどういう関係なの?」
死「ン―、ムカシイッショニスンデタ」
美「あ、じゃあいまのあたしと同じ立場だったのね」
死「ソウネ」
美「ということはいまはその人、普通の生活にもどったの?」
死「ン―、ソウデモナイ」
美「そうでもないってどういうこと? もしかして…死神さんここを出てそのけんたくんのところに戻るってこと?」
死「モドラナイ」
美「そう…」
死「エヘ♡」
美「でもそのひとがまた波乱万丈になるんだったら、その人のところに行ったほうがいいんじゃない? だって私、もうこの生活落ち着いちゃってるし、今日だってこれから相棒見たら出勤して、ドレスに着替えて、水割りぐーるぐるして終電で帰ってくるだけだもの」
死「アノネ」
美「なぁに?」
死「ケンタ、バイトシタイッテ」
美「どこで? え?」
死「ギンザ」
美「へ?」
同日17:00 帝国ホテル1F「パークサイドダイナー」
健「あのー…」
熟「はい。あ、けんたさんかしら?」
健「はい!すいません!ちょっと早めなんですが、よろしいですか?」
熟「どうぞ。よく私だってわかったわね」
健「はい!しにがみさんから聞いてました」
熟「あら。なんて?」
健「女優さんみたいな方だって」
熟「まぁ♡なにか食べる? はいメニュー」
健「ありがとうございます!」
熟「すきなもの食べてね。」
健「はい!」
熟「…」
健「…」
熟「きまった?」
健「あのー…」
熟「なぁに?」
健「ハンバーガーが…3000円って書いてあるんですが…」
熟「そうね。おいしいわよ」
健「でも3000円ってすごいですね。今の僕が3時間以上働いてもハンバーガー1個」
熟「そうねぇ。そう考えるとそうかもね。だけどほら、遠慮しないで食べたいものを頼んで」
健「ありがとうございます!じゃあ僕この2200円のほうの普通のハンバーガーいただきます!」
熟「半端に遠慮しちゃだめよ」
健「!!!じゃ、じゃあ3000円のほうで…」
熟「はい♡ 飲み物はなにがいい?」
健「お水いただきます!」
熟「わかりました」
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