更新日:2017年11月16日 20:50
お金

3000円のハンバーガー――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。 『おかねのかみさま』60回めです。 砂漠を中心に2000kmほど走ってカジノを回ってきました。 いつもどおり六本木SLOW PLAYで書いてます。 ※⇒前回「相棒」 〈登場人物紹介〉 健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる 神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い 死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気 美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる 美熟女(熟) 美琴が働く銀座の高級クラブ「サーティンスフロア」のママ 〈第60回 ハンバーガー〉 午後 久里浜 美琴宅 「百歩譲って北さんだとして、しにがみさんとはどういう関係なの?」 「ン―、ムカシイッショニスンデタ」 「あ、じゃあいまのあたしと同じ立場だったのね」 「ソウネ」 「ということはいまはその人、普通の生活にもどったの?」 「ン―、ソウデモナイ」 「そうでもないってどういうこと? もしかして…死神さんここを出てそのけんたくんのところに戻るってこと?」 「モドラナイ」 「そう…」 「エヘ♡」 「でもそのひとがまた波乱万丈になるんだったら、その人のところに行ったほうがいいんじゃない? だって私、もうこの生活落ち着いちゃってるし、今日だってこれから相棒見たら出勤して、ドレスに着替えて、水割りぐーるぐるして終電で帰ってくるだけだもの」 「アノネ」 「なぁに?」 「ケンタ、バイトシタイッテ」 「どこで? え?」 「ギンザ」 「へ?」 同日17:00 帝国ホテル1F「パークサイドダイナー」 「あのー…」 「はい。あ、けんたさんかしら?」 「はい!すいません!ちょっと早めなんですが、よろしいですか?」 「どうぞ。よく私だってわかったわね」 「はい!しにがみさんから聞いてました」 「あら。なんて?」 「女優さんみたいな方だって」 「まぁ♡なにか食べる? はいメニュー」 「ありがとうございます!」 「すきなもの食べてね。」 「はい!」 「…」 「…」 「きまった?」 「あのー…」 「なぁに?」 「ハンバーガーが…3000円って書いてあるんですが…」 「そうね。おいしいわよ」 「でも3000円ってすごいですね。今の僕が3時間以上働いてもハンバーガー1個」 「そうねぇ。そう考えるとそうかもね。だけどほら、遠慮しないで食べたいものを頼んで」 「ありがとうございます!じゃあ僕この2200円のほうの普通のハンバーガーいただきます!」 「半端に遠慮しちゃだめよ」 「!!!じゃ、じゃあ3000円のほうで…」 「はい♡ 飲み物はなにがいい?」 「お水いただきます!」 「わかりました」 ——— —- —
次のページ right-delta
うちで働きたいんですって?
1
2

※連続投資小説「おかねのかみさま」第1回~の全バックナンバーはこちら⇒

逆境エブリデイ

総移動距離96,000キロメートル! 大川弘一がフルスピードで駆け抜けた400日間全記録

おすすめ記事
ハッシュタグ