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「経済的な成功は悪」という群集心理――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。

『おかねのかみさま』67回めです。

1周年で賑わう六本木SLOW PLAYで書いています。

※⇒前回「同じ目標」


〈登場人物紹介〉
健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる
神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い
死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気
美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる
杉ちゃん(杉) ITベンチャー社長。ヒットアプリ「アリファン」を運営
沼貝(沼) 杉ちゃんの先輩ベンチャー経営者で株主。脅迫事件の対処に勇躍

〈第67回 クレーマー〉
22:40 銀座 サーティーンスフロア

「ぬまぬまの会社は、なんでそんなにお金が入ってくるんですか?」

「ちょっと!美琴ちゃん!」

「すごい!いやーすばらしい!いろいろ取材とか受けるけど、こんなに直球で聞いてくる人はいなかった!」

「…」

「彼女がこれだけ真剣に聞いてくれるということは、僕も真剣に答えなきゃいけませんね」

「ゴクリ…」

「あの、もうちょっとそっちのほう行ってもらえますか?」

「カシコマリマシタ」

「そうですね、まず、僕は人に恵まれています。次に、会社というのはみんなで目標を持って叶えていくものだとおもいます。つまり、同じ目標をもった集団の中には大きな力が宿るんです。だから一人ではできなかったこともできるようになる。もちろん僕一人でもできないことも、みんなと力を合わせて乗り越えていけるようになる。そういうことの連続で、次々に階段を昇っていくんです」

「クハー」

「すごい。なんか勇気が出る気がする」

「でしょー。だから僕はいつもみんなに感謝しています。たとえば…」

「沼貝さん」

「はい」

「もしその同じ目標を持った集団の中に、裏切り者が出たらどうしますか?」

「すぐに排除します」

美・死「!!!」

「と、言いたいとこだけど、排除すると逆に遺恨が残るんですよね。だからゆっくり対話して、お互いの誤解をなくした上で距離を置きます」

「じゃあ、対話しても無駄だった場合はどうしたらいいんでしょう」

「そうですねぇ。見えないところでたくさん準備をします。」

「じゅんび?」

「はい。ある程度レベルが近い人間同士の話し合いであれば、お互いの優先順位や共通の目的を探すという話し合いができるんです。でも対話が無駄になるケースというのは、ほとんどの場合、相手にゴールがないことが多い」

「ホウ…」

「つまり、断片的な情報からの勝手な思い込みとか、自分自身の狭い了見から見ておかしいとか、とにかく腹が立つからわめくとか、それと…」

「それと?」

「戦っちゃってる自分が好きなだけの人と、とりまきです」

「アー」

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でもね……

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