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死神の決意――連続投資小説「おかねのかみさま」

みなさまこんにゃちは大川です。 『おかねのかみさま』69回めです。 本日も六本木SLOW PLAYの奥の席よりお送りします。 ※⇒前回「ウワサ」 〈登場人物紹介〉 健太(健) 平凡な大学生。神様に師事しながら世界の仕組みを学んでいる 神様(神) お金の世界の法則と矛盾に精通。B級グルメへの造詣も深い 死神(死) 浮き沈みの激しくなった人間のそばに現れる。謙虚かつ無邪気 美琴(美) 普通の幸せに憧れるAラン女子大生。死神の出現に不安を募らせる 村田(村) 健太が師と崇めるノウサギ経済大学の先輩。元出版社勤務 ママ(マ) 蒲田のスナック「座礁」のママ。直球な物言いが信条 学長(学) 名前の由来は「学長になってもおかしくない歳のオッサン」の略 〈第69回 イイヤツ〉 23:10 蒲田 スナック座礁 「へっくし」 「あら村ちゃん、風邪?」 「いや、だいじょぶ」 「気をつけてよー。もう若くないんだから。コールセンターのお仕事で風邪ひいて声でなくなったら商売あがったりじゃない」 「だな。オレの声は落ち着くって言ってくれるジイさんもいるからな。最初はプリプリ怒ってても、だんだん話していくうちに【息子を思い出す】とか言ってよ。最後はまたいつでもかけてきてくださいねーって感じで切るんだよ。俺もうれしいし爺さんもうれしい。この仕事やっててよかったなーって思える数少ない瞬間だ」 「いい話じゃ。もう何年目になる?」 「出版社やめて、1年ふらついてたから、今年で3年目だな。俺、接客とか苦手だから、逆に決まってる言葉言うだけの仕事はラクなんだよ。性に合う」 「昔から接客苦手だったの?」 「いやどうかなー。昔は人間が好きだったよ。でも最近の接客ってお客のほうが恐ろしく偉そうにするから、人間扱いされないだろ。前はそれなりに会話があったり、お客の顔覚えたり、楽しくできる瞬間もあったんだけど、ほら、あそこのファミレスだってこの時間1人でやってるじゃん。ファミレスだぜ。キッチンが1人接客が1人。いつ行っても同じおばさんがやってるんだけど、殺人鬼みたいな顔して水運んでるよ」 「こんな顔か」 「いや、それは腹痛の顔だ」 「確かにむらちゃんがファミレスにいたら引くわ」 「俺もやだよ。だから決まったことやって決まった時間に帰れるいまの仕事でほんとによかったっておもってる。アホ大学でコイツに教わってたときなんかどんな未来があるか考えたこともなかったけど、結局よかったよ。人間、なんとかなるもんだな…」 ———- —- — 0:06 京急久里浜行き 最終特急 ガタンゴトーン… 「…」 「…」 「…それにしても……きょうの話、すごかったわね」 「ネ」 「なんか、おかねもちってそれなりに努力とか悪いこととかいろいろしてるのかなっておもってたけど、あっけない」 「ウン」 「シニガミさんがいままでに会ってきたひとたちもあんな感じ?」 「ンー」 -次の停車駅は、京急蒲田、京急蒲田でございます 「ア。カマタノトチカッテ、1000オクデ、ビルツクッタヒトイタ」 「すごーい!すごすぎていみわかんない。どんなひとだったの?」 「キチノスケ。イイヤツ」 -京急蒲田!京急蒲田でござィリぇス!お降りの方!足元をご注意の上チャッチャとお降りくだしゃぁ! 「……チョット、ボク、ヨッテクトコアルカラ。サキニカエッテテ」 「え!?なに?これ終電よ!」 「イイカラ」 ダァシエリイェス!ダァシエリイェス! プシュー ンオ—–…ンオ—————… 「…コレデイイ」 ———— —— —
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