サーファーの敵はサーファーじゃない? サーフィンにまつわる大いなる誤解
そして、ようやく波に乗ったかと思えば、一度ターンすると大体の選手がコケて波に落ちます。3分待って10秒波乗りとか、そんなペース。15分あっても、最大8本の波に乗らない選手も多数見られ、ほとんどの時間を「待ち」に費やすケースも。
ものすごく忍耐が必要で地味な戦いです。
ただ、波に乗る本数と勝敗はほとんど関係ない模様。結局は、どんな動きをするにも波のチカラ次第ですので、本数は少なくともイイ波をつかまえたほうが強いんですね。
強い選手ほど、少ない本数のライディングでキッチリといい波をつかまえ、高得点を出していました。
「波に乗る」という能力は大前提として、
「波を読む」という能力が勝敗を大きくわける
スポーツなんですね。
そんな戦いを見守っていると、不思議と心が和んできます。波を見守り、次にイイ波がきそうな場所を探し、波がこないのでまた待ちに戻る。その繰り返しが、心をボンヤリとさせてくれるのです。観戦の大半が「砂浜で波を見ている時間」ですから、和むのも当然です。焦ってどうこうしようとしても仕方ない。逆転の秘策も何もない。ただただ、イイ波を待つ。サブーン。サブーン。
僕は大いなる誤解をしていたのかもしれません。サーファーというと丘に上がってケンカみたいなイメージでしたが、
サーファーはサーファーと戦ったりはしない
のです。
太陽と潮の満ち引きに合わせて早起きをし、いい波を忍耐強く待ち、交通ルールでも守るように波の優先権をキッチリと守る。
サーファーはイメージよりずっと、ちゃんとしていたのです。なるほど、本部の人の応対が丁寧なわけです。
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