近未来スーパースターズの“レッスルマニア13”――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第252回(1997年編)
第1試合からメインイベントまでのカード編成、レイアウトを分析してみると、スーパースターたちの顔ぶれとその“番付”がひとつの過渡期を迎えていたことがよくわかる。
第1試合の“4ウェイ”タッグマッチに登場した4組のタッグチームは、いずれもWWE世界タッグ王座へのトップ・コンテンダーだった。
“パンク系”のヘッドバンガーズ(モッシュ&スラッシュ)、“農民コンビ”のガドウィン兄弟(ヘンリー&フィニアス)はいずれももWWEプロデュースのオリジナル・キャラクターで、ダグ・ファーナス&フィル・ラファン(前名ダニー・クロファット)は全日本プロレスからの“移籍組”。バリー・ウィンダム&ジョン・ホーク(のちのJBL=ジョン・ブラッドショー・レイフィールド)のザ・ブラックジャックスは1970年代の名コンビ、ブラックジャック・ランザ&ブラックジャク・マリガンのリメイク版だった。のちに“大物”となるJBLは意外にも下積み時代が長かった。
ミレニアムから21世紀にかけてのWWEの絶対的なキーパーソンとなるザ・ロックとトリプルHは、ロッキー・メイビアとハンター・ハースト・ヘルムスリーのリングネームでそれぞれ第2試合、第3試合に出場した。
前座のカードとはいえ“レッスルマニア”でシングルマッチが組まれていたという点にWWE内部でのこのふたりに対する“格づけ”をはっきりとみてとることができる。
前年11月の“サバイバー・シリーズ”でWWEデビューを果たしたばかりのメイビアはこの時点ではまだキャリア4カ月のルーキーだったが、すでに“ナンバー2”のポジションにあたるインターコンチネンタル王座(1997年2月13日、“ロウ”マサチューセッツ州ローウェル大会でトリプルHを下し獲得)を保持。この日はサルタン(のちのリキシ)を相手に同王座防衛戦をおこなった。
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