ストーンコールドの“ビンス暴行”手錠事件inNY――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第266回(1997年編)
リングサイドの実況ブースに座っていたビンスはリングにかけ上がり「みんながキミのことを心配している。頼むからケガの治療に専念してくれ。残りの人生を車イスで過ごすことになるぞ」というスピーチでストーンコールドに自重をうながした。
ストーンコールドはビンスの説得に応じていったんはリングから降りようとしたが、数秒間の沈黙のあと“まわれ右”のしぐさからいきなりビンスのボディーにキックをぶち込むと、そのままのビンスの首を抱え込んでストーンコールド・スタナーをお見舞いした。
“ドスン”という鈍い音とともにマイクを持ったビンスがキャンバスに大の字になった。無差別乱入テロをくり返すストーンコールドの制止にNY市警の警官隊が登場してくるとリング上は異様なムードに包まれた。
警官隊はすぐにストーンコールドを取り押さえ、ストーンコールド自身もさほど抵抗することもなく後ろ手に手錠をかけられ、ふたりの警官に両サイドをがっちりとガードされてアリーナ内から強制退場となった。これがアメリカの一部マスコミが大々的に報じた“手錠事件”のあらましだ。
ボスであるビンスに暴行を加えたストーンコールドに対し、自他ともに認める保守系のジム・ロス実況アナウンサーは「レスラーではないミスター・マクマホンに暴力をふるったストーンコールドは解雇処分をまぬがれないだろう」とコメントした。
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