“誤算”ストーンコールドが首を負傷!――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第264回(1997年編)
“ヒットマン”ブレット・ハートがアンダーテイカーを下しWWE世界ヘビー級王座を奪回した“サマースラム”(1997年8月3日=ニュージャージー州イーストルサフォード、コンチネンタル・エアラインズ・アリーナ)のリングで“想定外”の事故が発生した。
全7試合中、第6試合にラインナップされたオーエン・ハート対“ストーンコールド”スティーブ・オースチンのインターコンチネンタル選手権でストーンコールドが首を負傷。
試合そのものはなんとか終わらせたが、その後、欠場―戦列復帰―再欠場のくり返しを余儀なくされた。このときのケガがストーンコールドの現役生活――結果的に38歳で引退――に大きな影を落とすことになる。
それは一瞬のアクシデントだった。タイトルマッチは王者オーエンのペースでスタートした。序盤戦、オーエンは“場外カウントアウト負け”での王座防衛を狙って敵前逃亡を試みたが、ストーンコールドはこれを阻止。オーエンをリング内に連れ戻してスタンガン(フロントから抱え上げた相手の首を後ろ向きにトップロープめがけて落とす荒技)、パワーボム、ランニング・クローズラインの大技ラッシュを仕掛け、一方的なペースで試合を進めていった。
オーエンもベリー・トゥー・ベリー・スープレックス(カウンター式のフロント・スープレックス)、ジャーマン・スープレックス・ホールドといった難度の高いビッグ・ムーブで反撃。スリーパーホールドのかけ合いから、おたがいがおたがいのバックを奪い合うカウンターの動きのなかでアクシデントは起きた。
この連載の前回記事
この記者は、他にもこんな記事を書いています
ハッシュタグ