プロレスファンは悪童タイソンに寛大だった――フミ斎藤のプロレス講座別冊WWEヒストリー第280回(1998年編)
ネバダ州体育協会のマーク・ラトナー会長は、タイソンとWWEの契約―プロレスの試合に出場することについて「問題視しない」と明言。タイソンはニューヨークでの記者会見から1カ月後、3.2“ロウ”クリーブランド大会に再びゲスト出演した。
1.19“ロウ”フレズノ大会以来、6週間ぶりに全米生中継のTVショーに姿を現したタイソンは、この日、WWEのロゴがプリントされたTシャツの下にDX仕様のTシャツを着てリングに上がり、ショーンと激しいニラミ合いを演じ、あわや大乱闘シーンとみせかけておいてショーン派閥DX(ディジェネレーションX)とまさかの緊急合体。結果的に、1万9000人の大観衆はDXの“計画的犯行”にまんまとノセられてしまったのだった。
WWEの観客、というよりもプロレスファンは“悪童”タイソンに対してどこまでも寛大だった。この日、タイソンとDXに浴びせられたブーイングは憎悪のそれではなく、プロレスのリングでヒールを演じるタイソンへの親近感と敬意をこめた一種のコミュニケーション手段だった。
3.29“レッスルマニア14”ボストン大会のオフィシャル・ポスターにはWWE世界王者ショーン、ストーンコールド、そしてタイソンの“3人の主役”の顔写真が同じ大きさでレイアウトされていた。(つづく)
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文/斎藤文彦 イラスト/おはつ
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