もしAVがガチで「本番禁止!」になったら、どうなってしまうのか?
AV撮影での本番行為を全面禁止することが、はたして去年あたりから立て続けに表面化している一連の「女性人権問題」の本質的な解決につながるのかどうか……僕、ゴメス記者にはわからない。わからないので、とりあえず今回は「本番ナシのアダルトビデオ」が本格的に法令化された場合、「作中に及ぼすであろう影響」だけに焦点を絞り、その“今後”を大胆予測してみたい。
(1)「疑似」を前提として鑑賞する男性ユーザーの目が、より肥えてくる
モザイクに隠された結合部分が「100%未挿入」だと公になる……ということは、女優の容姿や前戯のテクニックや性交渉に至るまでのプロセスなどにこだわる男性ユーザーが必然的に増えていく……のではなかろうか。
(2)女優・男優に演技力が求められる
……となれば、もちろんのこと女優や男優にも、いにしえのロマンポルノ映画クラスの演技力を求められるようになる……のではなかろうか。
(3)女優に求められるモノのハードルが高くなるため、AV女優が激減する
「ただ入れられて喘いでいるだけ」といった、ある意味“楽チン”な手抜きが許されなくなるゆえ、「AV女優」が、よりなんらかの覚悟とスキルを持った女性にしかできない職業となっていく……のではなかろうか。
(4)女優・男優のギャラが安くなる
しかも、これまでは「本番行為への対価」として解釈されていた高額なギャラが半額以下となってしまうケースもあり得なくない。さらに、その“値切り感”は男優にまでも飛び火する……のではなかろうか。
(5)一作にかかる制作の負担は重くなる
基本、射精がなくなり、性行為自体が演技中心となっていくわけだから、予算を削られたうえに、現場ではNG→リテイクが何度も繰り返される……のではなかろうか。
(6)いっそう変態的なセックスが主流となる
たとえば、「アナルだったら女性器には入れてないから平気でしょ?」みたいな“新しい逃げ道”が見いだされ、(撮影中の)性行為がマニアックに変態化され、結局はイタチごっこと化していく……のではなかろうか。
(7)無修正モノの流出が無意味になる
入っていないんだから、無修正のハメシーンを見せられても、かえって興醒め。どうしても挿入にこだわりたいなら、制作側もユーザー側も法を犯してアンダーグラウンドへと潜るしかなくなっていく……のではなかろうか。
う~ん、絶望的な予想……って気もするし、案外悪くないのでは……って気もしなくはない。
いずれにせよ、我々のような“使うだけの部外者”は、このままじっと静観を続けるしかないのであった。
【山田ゴメス】
1962年大阪府生まれ。マルチライター。エロからファッション、音楽&美術評論まで幅広く精通。西紋啓詞名義でイラストレーターとしても活躍。日刊SPA!ではブログ「50にして未だ不惑に到らず!」https://nikkan-spa.jp/gomesu(PC版)も配信中。著書『クレヨンしんちゃん たのしいお仕事図鑑』(双葉社)
<取材・文/山田ゴメス>大阪府生まれ。年齢非公開。関西大学経済学部卒業後、大手画材屋勤務を経てフリーランスに。エロからファッション・学年誌・音楽&美術評論・人工衛星・AI、さらには漫画原作…まで、記名・無記名、紙・ネットを問わず、偏った幅広さを持ち味としながら、草野球をこよなく愛し、年間80試合以上に出場するライター兼コラムニスト&イラストレーターであり、「ネットニュースパトローラー(NNP)」の肩書きも併せ持つ。『「モテ」と「非モテ」の脳科学~おじさんの恋はなぜ報われないのか~』(ワニブックスPLUS新書)ほか、著書は覆面のものを含めると50冊を超える。保有資格は「HSP(ハイリー・センシテブ・パーソンズ)カウンセラー」「温泉マイスター」「合コンマスター」など
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