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今さら? いや、今だからこそ「レコード」の魅力をあえて語ってみる!【マルチライター・山田ゴメス】

―[山田ゴメス]―
 今年に入って一つ、大きな買い物をした。「大きな買い物」――とは言っても、1万円で小銭のお釣りが戻ってくる程度(税込)の値段なんだが……(笑)。  買ったのは「レコードプレーヤー」――とは言っても、DJとかが持っている本格的なモノではなく、プレーヤー内にスピーカーが内蔵されているコンパクトなヤツなんだが……。  しかし、そんなコンパクトかつシンプルなスペックのプレーヤーでも、さすが最近のテクノロジーの進化はハンパなく、少なくとも防音装備をしていないマンションの一室で聴くには充分のサウンドが楽しめるのだ。そして、コイツを手に入れたその日から、ゴメス記者のミュージックライフは、予想をはるかに超える変貌を遂げたのである!  最近は、飲み会などの予定が入っていない夜が待ち遠しくて待ち遠しくてしょうがない。一人でお酒をちびちび飲みつつ、レコードプレーヤーで音楽を聴く至福のひとときがたまらないから。  CD、それからiTunesが主流となり、いつしか部屋のスペースの少なからずな一角を占有する大仰なステレオコンポを始末して……もう二度と聴くことはないだろうと実家へと厄介払いしてしまったレコードを、ふたたび東京へと送り返してもらい、できるかぎりの(=お隣宅に迷惑がかからないかぎりの)大音量で流している。  このレコードプレーヤーの存在は、『スーパーFacebook』というライブネット動画で一緒にMCを務めている「宇宙飛行士を目指すタレント」黒田有彩ちゃんから教えていただいた。「スペースは取らないし、音もちゃんとしてるし、データをパソコンにも取り込めるし、オススメですよ…」と。 ⇒【写真】はコチラ https://nikkan-spa.jp/?attachment_id=1292314
今さら? いや、今だからこそ「レコード」の魅力をあえて語ってみる!

黒田有彩ちゃんがメインモデルを務めたdisk unionのフリーペーパー『rpm』(特集:ゼロからのレコードライフ)。この仕事を通じて、彼女はレコードの虜になったんだとか…?

 ジャケットからいちいちレコードを抜き出し、それをいちいちプレーヤーに置いて針を落とす……正直なところ手間はかかるし面倒臭い。が、そういう“手間”を何度も重ねていくうちに、あらためて以下のような「レコードならでは」の魅力を再確認することができたのであった。 1.“ながら”で音楽を聴かなくなった  かの坂本龍一は、なにかのインタビューで「僕は音楽を聴くときは音楽を聴くことだけに専念します」みたいなことを語っていた。面倒な手順を踏んで、ようやくに流すレコードプレーヤー発の音楽ゆえ、「仕事をしながら」「ごはんを食べながら」「複数の部屋飲みで雑談をしながら」……聴くのがもったいない。あくまで音楽だけに集中したくなるのである。 2.レコードにしかない音源を聴くことができる  僕がもっとも好む音楽ジャンルは、おもにジャズ、それもブルーノートあたりのゴリゴリ系よりは70~80年代のヨーロッパ系アンビエント、もしくはプログレシブジャズ……といった、どちらかと言えばクラシックに近い、けっこうマニアックなモノだったりする。じつのところ、その手の作品は、ネット配信はおろかCD化もされていない――「レコードでしか聴けない」ケースが、まだ数多かったりするのだ。
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他にもある、レコードの魅力とは?
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